本文に移動

米軍「2隻脱出」…ホルムズ海峡に足止めの850隻が脱出を決められないわけ

登録:2026-05-06 00:37 修正:2026-05-06 07:22
ホルムズ海峡に足止めされている船舶。4日にイラン南部で撮影/AFP・聯合ニュース

 米軍がホルムズ海峡の開放に向け「プロジェクト・フリーダム(解放プロジェクト)」を実施する中、米国船籍の2隻の貨物船が海峡を脱出した。しかし各海運会社は、今回の作戦のみで安全は断定できないとして、海峡通過に慎重な姿勢を示している。

 中東地域を管轄する米中央軍は4日(現地時間)、ソーシャルメディアのXに、米国旗を掲げた2隻の商船が「ホルムズ海峡の通過に成功し、安全に航行を続けている」と語った。米中央軍は「米海軍の誘導ミサイル駆逐艦がプロジェクト・フリーダムを支援するためホルムズ海峡を通過し、(海峡の奥の)ペルシャ湾で作戦中」だとして、「米軍は海上通行の回復に向けた取り組みに積極的にかかわっている」と語った。

 米国はこの日から、民間船舶のホルムズ海峡通過を支援するプロジェクト・フリーダムに、100機以上の航空機と誘導ミサイル駆逐艦、1万5000人の兵力を投入すると発表している。中央軍のブラッド・クーパー司令官はこの日のメディアとの電話記者会見で、米軍がホルムズ海峡の航路のひとつを開放したこと、作戦の過程でイラン軍の6隻の小型船舶を撃沈したことを語った。同氏は、数十社の海運会社に開放された航路の利用を促したとも述べた。

 実際に、デンマークに本社を置くグローバルコンテナ船会社「マースク」は、自社の運航する米国船籍の自動車運搬船「アライアンス・フェアファックス」がこの日、ホルムズ海峡を通過したことを確認した。同社は「米軍から連絡を受け、米軍の保護下で同船のペルシャ湾脱出の機会を提案された」と明かした。航海は無事に終わり、乗組員は全員負傷しておらず安全だとロイター通信は伝えた。

 しかし、ペルシャ湾に足止めされている船の多くは、今も脱出を決意できていない。英国「ガーディアン」は、850隻あまりの船がペルシャ湾内で通行の再開を待っていると報じた。国際海運労働組合「ノーティラス・インターナショナル」のサーシャ・マイヤー事務局長はガーディアンに対し、「海峡に留められている船員たちは、船が脱出できるよう保護されることに感謝するだろう。しかし保護は確実なのか。(イランが設置したという)機雷はどうするのか」として、「この作戦が良いニュースなのか、あるいはより大きなリスクを招くものなのか、結論を下すのは早すぎる」と語った。米軍の作戦により軍事的衝突がまたも拡大し、むしろリスクは高まりうるということだ。

 ペルシャ湾に足止めされているタンカーの船長、ラマン・カプールさんもBBCラジオのインタビューで、「危険は冒さない」と語った。同氏は「船長として状況を評価するのは私の義務」だとして、「(脱出を試みるには)乗組員全員に命をかける意思があるか同意を得なければならない。それは長いプロセスだ」と語った。

 いっぽうイラン軍は、ホルムズ海峡から脱出した船は存在しないと主張している。イラン革命防衛隊はテレグラムにあげたこの日の声明で、「ここ数時間、いかなる商船やタンカーもホルムズ海峡を通過しておらず、(米中央軍などの)米国当局の主張は根拠のないうそ」だと述べた。

チョン・ホソン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1257239.html韓国語原文入力:2026-05-05 14:44
訳D.K

関連記事