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旧統一教会の韓国与党金品ロビー疑惑、教会元幹部は捜査に協力するか【ニュース分析】

登録:2025-12-12 08:31 修正:2025-12-12 11:27
旧統一教会のユン・ヨンホ元世界本部長(左)とチョン・ジェス海洋水産部長官=ユン・ウンシク先任記者・共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 旧統一教会(世界平和統一家庭連合)のユン・ヨンホ元世界本部長がチョン・ジェス海洋水産部長官など現与党「共に民主党」の政治家にも金品を提供したことを、ミン・ジュンギ特別検察官(特検)チームに供述していた事実が明るみになり、李在明(イ・ジェミョン)大統領は「与野党を問わない厳正な捜査」を指示したため、警察はただちに特別専門担当捜査チームを編成した。特検チームが遅れて事件を警察に移管したことにより、公訴時効問題など解決すべき難題が山積している。

■金品の額に応じて公訴時効が異なる…3000万ウォン未満の場合、時効成立・期限超過

 最大の問題は公訴時効だ。不法政治資金授受の場合、公訴時効は7年。ユン元本部長は特検チームに、2018~2019年にチョン長官に金品を渡したことを明らかにしたため、2018年に金品の授受が行われたとすれば、政治資金法違反の公訴時効が成立していることになる。対価性を伴う金品授受の場合、収賄容疑が適用されるが、公訴時効は金額によって異なる。収賄額が3000万ウォン(約320万円)未満の場合、公訴時効は政治資金法違反と同じ7年で、3000万ウォン以上5000万ウォン(約530万円)未満の場合、公訴時効は10年だ。

 ユン元本部長がチョン長官に渡したと主張している金品の額は、現金3000万~4000万ウォン(約420万円)に加え、高級時計2個とされる。ユン元本部長は特検チームに「現金3000万ウォンを渡した」と供述したが、旧統一教会内外からは4000万ウォンという話も出ている。渡された金品の額が正確ではないということだ。金品の総額が3000万ウォン未満の場合、2019年初めに渡されたとしても、本格的な捜査が行われる前に時効が成立する可能性がある。

 また、贈収賄罪は政治資金法違反とは違い、不法な金品を受け取った事実だけでなく、対価性と職務関連性を同時に立証する必要があり、負担となる。実際に特検チームは、ユン元世界本部長から1億ウォン(約1100万円)の金品を受け取った最大野党「国民の力」のクォン・ソンドン議員については、贈収賄罪ではなく政治資金法違反容疑を適用して起訴した。

 特検が8月にユン元本部長から陳述を得ながらも捜査を進めず、今になって警察に移管したことに批判が出ているのはこのためだ。警察捜査チームの立場としては、ユン元本部長が金品を渡した時期と正確な金額を確認することが最優先課題になるものとみられる。

■「キーマン」として再浮上のユン・ヨンホ元世界本部長、捜査に協力するか

 ユン元本部長が捜査に協力するかどうかもカギだ。金品授受はひそかに行われるものであるため、物証の確保は難しい。このため、供与者の確固たる陳述なしには、捜査を継続するのが難しい。政治資金法違反でも贈収賄でも、供与者は処罰を受ける。ユン元本部長が特検捜査の初期に「チョン長官に金品を渡した」と述べはしたが、特検が過酷な捜査を行ったと苦情を訴えている状況下では、自分の刑量が増えかねない不法資金供与の陳述を維持するかどうかは未知数だ。公訴時効が残り少ない状況下でユン元本部長が協力しなければ、捜査はよりいっそうの困難に直面せざるを得ない。ユン元本部長の周辺からは、ユン元本部長が10日の結審公判で、旧統一教会の支援を受けた「共に民主党」の政治家たちの実名を公開するという話が出ていたが、ユン元本部長は実際には裁判でこれに関する言及はしなかった。

 チョン長官は金品授受についてはもちろん、京畿道加平(カピョン)にある旧統一教会の聖地である天正宮の訪問まで、すべて強く否認している。米国出張から帰国した11日にも記者団に「断固として、明白に、非常に強く、疑惑はまったくの事実無根(だと表明する)」と述べ、政府に負担をかけられないとして辞意を表明した。ユン元本部長が金品を渡したことを特検チームの調査で明らかにした「共に民主党」のイム・ジョンソク議員や、旧未来統合党のキム・ギュファン元議員らのいずれも、金品授受の事実はないとして積極的に反論している。

 しかし、金品授受の当時の状況についてのユン元本部長の陳述は比較的具体的であり、「韓鶴子(ハン・ハクチャ)特別報告」にチョン長官が天正宮を訪問したことが記されている点などは、ユン元本部長の主張に信憑性を与える。さらに、ユン元本部長は特検チームの調査で、チョン・ドンヨン統一部長官については、「金品を受け取らなかった」とする趣旨のことを述べたという。実際にチョン・ドンヨン長官は11日の記者会見で、ユン元本部長に会った事実は認めたが、金品を受け取ったことはないと述べた。

■「共に民主党」側の支援対象は15人か

 捜査の過程で、他の「共に民主党」の要人へと捜査が拡大する可能性もある。ユン元本部長は政治後援金など多種多様な手法で多くの民主党の政治家を支援したと主張している。その規模は15人にのぼるという。

 公式の手順を経て渡された政治後援金であっても、対価性がある場合は処罰対象になる。政治資金法は「公務員が担当・処理する事務に関して、請託または斡旋(あっせん)すること」に関連して政治資金を寄付したり受け取ったりすることはできないよう定めている。中央選挙管理委員会に申告された政治後援金であっても、対価性があれば政治資金法違反や贈収賄罪として処罰されることになりうる。実際に検察は2011年、全国警備警察親睦協議会から、警備警察法改正の対価として政治後援金を受け取った与野党の政治家6人を政治資金法違反で起訴したことがある。6人全員について、罰金刑や罰金刑の執行猶予などの有罪が確定した。

 出版記念会を通じて金品を受け取る行為も対価性がある場合は処罰が可能だ。最高裁は2017年7月、収賄容疑で起訴されたシン・ハギョン元議員に懲役2年6カ月を宣告した原判決を確定した。当時、シン元議員は韓国幼稚園総連合会のために恩恵を与えうる法案を発議する見返りとして、出版記念会の祝い金で3360万ウォンを受け取った疑いなどで裁判を受け、最高裁は贈収賄罪に該当すると判断した。

 このように外形的に合法的な支援であっても、対価性がある場合は受領者が処罰されることがある。捜査の過程でこのような状況が明らかになれば、捜査の範囲は大幅に拡大されるものとみられる。さらに、金品を受け取った民主党の要人がさらに明らかになる可能性も排除しがたい状況にある。

ジョン・ファンボン記者、ペ・ジヒョン記者、キム・ガユン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1234028.html韓国語原文入力:2025-12-11 16:09
訳M.S

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