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【独自】リバクスクール「コメント工作」…3年前から高齢者に団体教育=韓国

登録:2025-06-03 06:58 修正:2025-06-03 10:27
2022年10月に行われたリバクスクールの高齢者を対象としたコメント書き込み工作教育=動画よりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 6月3日に行われる第21代大統領選挙で組織的なコメント書き込み操作の情況が明らかになった「リバクスクール」(李承晩、朴正煕の理念を支持するの歴史教育を行う団体)が、2022年から「スマートフォンの使い方を教える」として高齢者たちを集め、ネット上でのコメント書き込み工作の方法を教育した事実が確認された。少なくとも2022年から「自手軍」(コメント書き込みで国を救う自由手指軍)を募集したリバクスクールが、高齢者までコメント書き込み工作に動員しようと試みたのだ。

 ハンギョレが2日に確認した2022年10月7日付のリバクスクールの動画「シニアのためのスマートフォン教育」を見ると、月刊誌記者出身の講師K氏は高齢者の受講生を対象に、オンライン世論戦が重要である理由や、ポータルサイト「ネイバー」の記事につくコメントの構造、「いいね」がたくさんついた「ベストコメント」の重要性などを説明していた。

 K氏はさらに「北朝鮮はソーシャルメディア(SNS)のアカウント1000個余りを活用して韓国内の政治に介入し、選挙の時に特定政治勢力を落選させ、彼らが望む候補を当選させるために世論操作を行うという」とし、「北朝鮮さえもコメント書き込みの重要性が分かっているのに、私たちはその重要性が分かっていない」と語った。

リバクスクールの事務所に「週1回スマートフォン無料教育」を行うという案内する横断幕が貼られている。写真は2022年11月に撮影されたもの=読者提供//ハンギョレ新聞社

 受講生にネイバーアプリを開くよう指示したK氏は「記事の推薦数が多くなるほどネイバーの上段に表示される確率が高くなる。文在寅(ムン・ジェイン)政権を批判する記事のように人々が多く読むべき記事には『いいね』を押し、左寄りであったり与党にあまり愉快でない記事には『いいね』を押してはならない」と強調した。

■「ネイバーニュースを下にスクロールすると見えますよね?純共感順が最も重要」

 K氏は全国障害者差別撤廃連帯(全障連)に関する記事などを事例として挙げ、コメント操作のターゲット層は20〜40代だと話した。K氏は「50代以上は政治的信念や価値観が確実に固まっている場合が多く、世論やコメントの影響を多く受けるのは20~40代」として「例えば、全障連に関連する記事で、称賛コメントが上位にあるか批判コメントが上位にあるかによって市民の考えが変わる」と語った。さらに「報道機関の政策によって記事のコメントを最新順に見ることができるようにしたり、純共感順でも見ることができるようにする。純共感順が最も重要だ」とし、このように語った。

 「ネイバーニュースをずっと下にスクロールすると、 コメント欄が見えますよね? 最も重要なのは『純共感順』があるかないか。純共感順がなく最新順だけを表示する形であれば、私たちが500万人を動員してコメントにいいねを500万回を押しても、3分経てば見えなくなってしまいます」。K氏は高齢者たちに、ネイバーにログインした後「コメント書き込み活動に適した記事を選ぶ」などの実習も続けた。

リバクスクールの講師のK氏は2022年10月、高齢者対象のスマートフォン教育で「コメント欄に『純共感順』がなければ、コメントにいいねを500万個を押しても3分経てば見つけられなくなる」と話した=ネイバーニュースのコメント欄よりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 リバクスクールが青少年を対象に行った歴史教育では、李承晩(イ・スンマン)と朴正煕(パク・チョンヒ)の両元大統領を称賛し、親日派を擁護することが主な内容だった。

 「リバクスクールTV」のユーチューブチャンネルからは削除されたが、ハンギョレがこの日確保した動画によると、2020年9月のジュニア歴史教室で、講師のC氏は「独立の完成は建国であり、光復は建国ではない」、「親日附逆派が全員追い出されていたら、韓国は今のように豊かに暮らせなかっただろう」などと主張し、生徒たちは画面に映った「李承晩大統領は世宗大王と李舜臣(イ・スンシン)将軍ほど尊敬されるべき偉人だ」という文章を声に出して読んだ。

2022年9月にリバクスクールで行われた「ジュニア歴史教室」の講義の様子=動画よりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 また別のジュニア歴史教室の講義では、講師のK氏が「デモや集会が民主主義を成し遂げるのではない。経済成長をしてこそ民主主義が実現する。朴正煕元大統領は本当の民主主義が何か分かっていた方だ」と語った。リバクスクールのジュニア歴史教室1期を修了したある生徒は授業に対する感想として、「学校で習ったこととあまりにも違って衝撃だった」とし、「学校では李承晩大統領は不正選挙をした人、朴正煕大統領は独裁者だと学んだ。この授業を受けていなかったら、誤った歴史観を持ち続けていた」と話した。

 リバクスクールの歪曲された歴史観教育は、学童保育(ヌルボム学校)の授業を通じて学校現場に浸透した可能性が高い。リバクスクールのコメント書き込み工作疑惑を捜査中の警察はこの日、リバクスクールの学童保育事業への参加関連疑惑も捜査対象に含まれる可能性があると述べた。

コ・ナリン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1200706.html韓国語原文入力:2025-06-03 00:51
訳H.J

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