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韓国の裁判官代表会議、揺れる司法への信頼・裁判独立侵害への懸念が議題に

登録:2025-05-21 06:36 修正:2025-05-21 08:05
チョ・ヒデ最高裁長官が9日午前、ソウル瑞草区の最高裁に出勤している=チョン・ヨンイル先任記者//ハンギョレ新聞社

 26日に開かれる全国裁判官代表会議では、最大野党「共に民主党」のイ・ジェミョン大統領選候補の上告審が異例の手続きで進められたことで、政治的中立性問題が提起され、これによって司法府の独立が揺れているという懸念などが議論されるものとみられる。

 全国裁判官代表会議の議長を務めるソウル南部地裁のキム・イェヨン部長判事は20日、裁判所のイントラネットに、特定の事件(イ候補の上告審)に対する異例の手続きで司法の信頼が揺らいだことを認識し、▽これによる責任追及と制度変更が裁判の独立を侵害する可能性を懸念し、▽司法信頼および裁判官倫理分科委員会でこの事態の経過をモニタリングして原因を分析し、対策を議論するという内容を今回の会議での案件にすると明らかにした。

 キム部長判事は「裁判官は他の裁判の公正性に影響を与えかねない公的な意見表明もしてはならない」とし、具体的な事件に対する意見表明には限界があると明らかにした。しかし「今回の裁判所の裁判と手続きは、混乱と司法への不信を防ぐという名目で行われたにもかかわらず、結果的に裁判所の政治的中立性や裁判の公正性に対する疑念を抱かせ、裁判の独立の土台となる司法に対する信頼が揺らぐ結果を招いたことは否定しがたい」とした。最高裁によるイ・ジェミョン候補の上告審の進め方には批判を免れないところがあるという点を遠まわしに指摘したのだ。また「個別裁判や手続き進行を理由にした裁判官に対する告発、弾劾訴追、法改正など民主的責任の追及は、行き過ぎた場合、民主主義の重大要素である裁判の独立への侵害につながりかねない」として、司法府への攻撃に対する問題意識も共に示した。26日の全国裁判官代表会議では、同案件を中心に議論が進められ、議論の過程で修正案が出る可能性もある。

 イントラネットでは最終案件の上程を控え、案件を提案する形で様々な意見が寄せられた。ソウル中央地裁のチャン・チャングク、オ・ヨンス、クァク・ギョンピョン部長判事は「最高裁長官と最高裁判事の純粋な意図によるものかもしれないが、外部から見ると、その正当性について疑念を抱かせるのに十分な内容であり、多くの議論と批判を自ら招いた」とし、「司法府に対する不信と攻撃を招いたことに対し、黙々と自身が引き受けた事件の公正な処理のために努力してきた裁判官としては、深い遺憾を表明する」と述べた。彼らは「しかし、正当な批判を越え、これを口実に度を越した試みが行われるのは深刻に懸念せざるを得ない」と付け加えた。

 昌原地裁のハン・ナラ部長判事は「判決に対する批判を越え、判決を下した裁判官に対する特検、弾劾、聴聞手続きなどを進めることは、司法権独立の深刻な侵害であることを明らかにし、再発防止を求める」とし、「裁判官全体の意思が歪曲されないように、あらかじめ確定した案件に対して各裁判所の構成員の意思を明確に確認し、代表らが各案件を個別に公開投票」を行うことを提案した。

キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1198484.html韓国語原文入力2025-05-20 21:12
訳H.J

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