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【社説】最後まで反省も謝罪もない尹大統領、罷免すべき

登録:2025-02-26 08:56 修正:2025-02-26 09:37
20日午後、ソウル鍾路区の憲法裁判所の大審判廷で尹錫悦大統領の弾劾審判第10回弁論が行われ、尹大統領が弁護人と話し合っている=写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が25日の弾劾審判の最終弁論に出席し、最終陳述をおこなった。これで弾劾審判の弁論はすべて終了した。憲法裁判所は今後、評議を経て、3月初めから中旬ごろに尹大統領を罷免するかどうかを決めるとみられる。憲法裁はこの日までに11回にわたり弁論を行い、12・3非常戒厳の違憲性と違法性を問うてきた。16人の証人に対する尋問と、憲法裁が証拠として採用した内乱事件の容疑者たちの供述調書などによって、尹大統領を罷免する根拠は十分に立証された。尹大統領の罷免が遅れれば遅れるほど、国政の混乱と国民の対立も深まらざるを得ない。憲法裁ができるだけ早く全員一致で尹大統領の罷免を決定することを願う。

 大半の国民は、尹大統領がせめて最後の陳述では自らの過ちについてきちんと謝罪し、責任を取る姿勢を示してくれることを望んだ。また、憲法裁判所がいかなる決定を下したとしても受け入れるとの立場を表明することを求めていた。しかし、一度だけでも国政の最高責任者として責任感を示してほしいという国民の願いは、ことごとく裏切られた。

 尹大統領は最後の瞬間まで、自らの責任を全面的に否定した。野党責任論を繰り返しつつ、非常戒厳は「国民に訴えるためのもの」だったという詭弁(きべん)を並べ立てた。「大統領は国会を掌握し内乱を起こそうとしたという野党の主張は、政略的な扇動工作に過ぎない」として、全国民が見守った明白な事実まで否定した。「不正選挙」や「中国介入論」など、憲政に対する国民の信頼をむしばんで国益を損ねる陰謀論も繰り返した。大統領として自らが招いた国家的混乱を収拾し、国民の分裂と対立を止める最後の機会さえ、打ち捨ててしまったのだ。最後まで自らの安全のためだけに強引な主張を並べ立てる姿を見て、多くの国民は情けなく思い、憤りを感じたことだろう。

 きちんとした謝罪と反省のメッセージもなかった。「国家と国民のための戒厳だった」と戒厳の正当性を強弁してからようやく、「国民のみなさまに混乱と不便をおかけしたことを申し訳なく思う」と一言述べたに過ぎない。誰がこれを真の謝罪と受け止められるのか。むしろ「私の拘束過程で起きたことで、厳しい状況に直面している青年たちもいる。非常に胸が痛み、申し訳ない」と述べて、自身の熱烈な支持層に対する求愛を繰り返した。最終弁論ですら、国民の統合ではなく熱烈な支持層の結集の手段として悪用したのだ。このような姿を見て国民は、一時であろうとこれ以上彼を大統領にとどまらせてはならないという確信をさらに固めたことだろう。速やかに尹大統領を罷免して憲政を正常化するとともに、民生を回復させなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1184227.html韓国語原文入力:2025-02-25 22:19
訳D.K

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