ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が27日、自国製の弾道ミサイル実験を初めて行ったことを明らかにした。
ロイター通信とAFP通信、キーウインディペンデントなどは、ゼレンスキー大統領が同日、キーウで開かれた「ウクライナ2024独立フォーラム」で記者会見を行い、「まだ話すには早いかもしれないが、皆さんと共有したい。ウクライナ初の弾道ミサイルの肯定的試験(陽性反応)があった。ウクライナの防衛産業界にお祝い申し上げる」と述べたという。ルステム・ウメロフ国防相は前日、ウクライナは自国で生産した兵器でロシアの空襲に対応する準備をしていると述べた。
これに先立ち、ゼレンスキー大統領は「パリャヌィツャ」と呼ばれるウクライナ製長距離ドローンを初めて戦闘に配置したと明らかにした。ゼレンスキー大統領の発言は26日、ロシアがウクライナのエネルギー施設を攻撃するための大規模な空爆を行った直後に出た。ウクライナは米国、英国、フランスなど西側から長距離ミサイルの供与を受け、小型兵器および弾薬生産に関する協定を締結するなど西欧の軍事援助に依存してきたが、西側にロシアに対する長距離兵器の使用を認めるよう求めてきた。ウクライナは6日からロシア本土クルスク州への攻撃を続けている。
ゼレンスキー大統領はまた、来月、ジョー・バイデン米大統領に終戦案を提示する計画であり、カマラ・ハリス副大統領やドナルド・トランプ前大統領など米大統領選候補たちにも伝える予定だと述べた。この終戦案についてゼレンスキー大統領は「ロシアが戦争を終わらせるようにすることが主な目的」だとしたうえで、「外交、経済部門の様々な措置が含まれるだろう」と説明した。そして、9月にニューヨークで開かれる国連総会にも出席したいという意向を示した。
ゼレンスキー大統領はロシア本土クルスクで行う軍事作戦と関連し、「ウクライナの勝利計画における主軸の一つ」だとし、「戦争は結局対話で終わるだろうが、ウクライナが強い立場を構築することが必要だ」と強調した。西側から供与された米国製F16戦闘機については、「これまで成果が良く、ロシアの最近の攻撃を撃退するのに投入された」と述べた。また、ウクライナには今年ドローン150〜200万台を生産する能力はあるが、資金が足りないと語った。