ウクライナ保安局は、ロシア側の指示を受けウォロディミル・ゼレンスキー大統領など政府高官を暗殺しようとした疑いで、ウクライナ国家警護局の要員2人を逮捕した。AP通信が報じた。
ウクライナ保安局は7日(現地時間)、声明を通じて、高官を保護する任務のウクライナ国家警護局所属の大佐2人が、ロシア連邦保安局に所属の要員らと連携してゼレンスキー大統領の警護員の中から大統領を拉致または暗殺する「実行者」を探そうとした疑いで逮捕されたと明らかにした。2人は終身刑を宣告されうる反逆罪の容疑で捜査を受けている。ウクライナのバシル・マリュク保安局長は「この陰謀はロシアのウラジーミル・プーチン大統領の5回目の就任式(7日)を前に予想された」と明らかにした。
英国BBCの報道によると、ロシア連邦保安局は、別の暗殺標的だったキリロ・ブダノフ情報総局長やマリュク局長などを5日の東方正教会の復活祭前に殺害する具体的な計画も立てていたという。ロシア連邦保安局の計画は、「スパイ」の役割をした国家警護局の要員を利用し、ウクライナの高官の位置情報を把握した後、ドローンやミサイル、ロケットなどで攻撃を行う方法だったとBBCは報じた。ウクライナ保安局は、今回捕まった要員の一人はドローンや地雷なども購入していたと伝え、ロシア連邦保安局所属の職員3人がこの組織と攻撃などを監督したと主張した。捕まった要員らは、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻以前からロシア側と繋がっていたという。
ロシアがゼレンスキー大統領を暗殺しようとしたという疑惑は、今回が初めてではない。ゼレンスキー大統領は、ウクライナ戦争の勃発後、自分を暗殺しようとした試みは少なくとも10回はあったと述べている。これに先立ち、ポーランドの検察は先月、ゼレンスキー大統領を暗殺するためにロシアの軍事情報当局側でスパイ活動を行ったポーランド人男性を逮捕したと発表した。