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韓国の動物園でシベリアトラ「テベク」死亡…この1年間に同園で4頭目

登録:2024-04-23 08:06 修正:2024-04-23 08:24
19日、ソウル大公園で絶滅危惧種のシベリアトラ「テベク」が死亡したことが公表された=ソウル大公園ウェブサイトより//ハンギョレ新聞社

 ソウル大公園の動物園で、6歳のオスのシベリアトラ(アムールトラ)「テベク」が19日に死亡したことが公表された。ソウル大公園ではこの1年間で、テベクを含め4頭のシベリアトラが相次いで死んでいる。シベリアトラは「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約、CITESとも)」の附属書1に記載されている絶滅危惧種だ。

 ソウル大公園は19日、公式ウェブサイトで、「2018年5月2日にペクトゥ、ハルラ、クムガンと共に4きょうだいとして生まれたテベクが本日、私たちのもとを去りました」と発表した。ソウル大公園の説明によると、今年で6歳のテベクは2月から便の状態が悪かったため診療を受けており、最近では餌の摂取量が急激に減少し、活動も顕著に低下していた。

19日、ソウル大公園で絶滅危惧種のシベリアトラ「テベク」が死亡したことが公表された=ソウル大公園ウェブサイトより//ハンギョレ新聞社

 またソウル大公園は、「15日に全身麻酔を打って健康診断をおこなった結果、胆道系と肝機能が著しく低下していることが確認され、それを受けて薬物および輸液の処置を取った」と明らかにした。急性肝・胆道系疾患は様々な年齢のネコ科動物で発生しうるが、猛獣であるため、全身麻酔を繰り返しての積極的な輸液処置が難しかった、というのがソウル大公園の説明だ。

 ソウル大公園は「正確な死因究明のために解剖をおこなった。さらに外部機関と協力して精密診断を実施している」とし、「死因が確認され次第、市民に公開する」と説明した。

19日、ソウル大公園で絶滅危惧種のシベリアトラ「テベク」が死亡したことが公表された。写真は生前の「アルム」=ソウル大公園ウェブサイトより//ハンギョレ新聞社

 ソウル大公園では、この1年間でシベリアトラが相次いで死んでいる。2月26日にはメスのシベリアトラ「アルム」が19歳で死亡。正確な死因は明らかになっていないが、老衰と考えられている。動物園のトラは、15年から長ければ20年生きる。

 昨年5月にはメスの「パラン」(1)、8月にはオスの「スホ」(10)が相次いで死んでいる。2022年4月に生まれたパランは、ネコ科の動物で発生する急性ウイルス感染症「猫汎白血球減少症」で死亡した。動物園で1歳の誕生日を祝ってから1カ月もたっていなかった。

 疫学調査の結果、スホは心臓疾患と熱中症によって死亡したことが確認された。当時、ソウル大公園は「今後、トラをはじめとするすべての動物に対して、より細心の健康管理を心掛ける」と述べている。

 テベクの追悼空間はこの日から28日まで、猛獣舎のトラ展示場前に設けられる予定だ。ソウル大公園は「テベクの突然の死の知らせに接し、飼育士をはじめとする動物園の職員はつらい時間を過ごしている」とし、「テベクの旅立つ道が寂しくないよう、共に哀悼してほしい」と述べている。

コ・ギョンジュ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/animalpeople/human_animal/1137679.html韓国語原文入力:2024-04-22 18:25
訳D.K

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