頭に「コリア」を意味するKがついているのが誇らしい時代になった。
韓国系の俳優や監督が主軸となって「移民たちの物語」を描いたネットフリックスのシリーズ『BEEF/ビーフ』が第75回エミー賞授賞式で作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞など8つのトロフィーを手にしたという朗報が、16日に伝えられた。この作品は先にゴールデングローブ3冠、クリティクス・チョイス・アワード4冠に輝いている。
「K-コンテンツ」の躍進は、2020年のポン・ジュノ監督の映画『パラサイト 半地下の家族』がオスカーで作品賞など4冠に輝いたことで目立ちはじめた。翌年にはネットフリックスのシリーズ『イカゲーム』が世界中でシンドロームを巻き起こして各種の賞をかっさらい、チョン・イサク監督の映画『ミナリ』もオスカー助演女優賞(ユン・ヨジョン)を得た。
K-コンテンツより一足先に世界への道を固めたのは「K-POP」だ。防弾少年団(BTS)、BLACKPINKなどのアイドルグループが米国ビルボードのメインアルバムチャートやシングルチャートを席巻し、韓国を知らしめた。
Kカルチャーの成功は「Kフード(韓国料理)」の人気にもつながっている。昨年、米国では冷凍キムパプ(のり巻き)ブームが巻き起こり、のりの輸出は1兆ウォンを突破した。チキンやラーメンはもちろん、トッポッキ、キムマリなどのストリートフードも全世界に売られていっている。最近ではCJ第一製糖によるKフードのグローバル化の成功例が、米ハーバード大学経営大学院の教材に選定された、というニュースも聞こえてくる。
これらすべてが、アジアの辺境にとどまっていた韓国が世界の文化の中心になったという自負を抱かせる。「アグリーコリアン」、「コリアンタイム」などの韓国をけなす表現があふれていた時代と比べると、「レベル」が変わったと感じる。
しかし、果たしてすべての分野がそうなのだろうか。残念ながら、現政権の発足後は苦労して築いてきた韓国のイメージを落とす恥さらしな事態も相次いでいる。
先進諸国は「週4日制」を実験しているのに「週69時間労働」を叫ぶ雇用労働部、報道の自由度ランキングが4ランク落ちて47位となった状況にあっても強制捜索と訴訟を繰り広げてメディアを締めつける検察と外交部、世界スカウトジャンボリーの準備で猛暑対策さえ立てていなかったことで醜態をさらした女性家族部、300万ウォンのブランドのバッグを授受したという疑惑が持たれている大統領夫人、「大統領夫人株価操作疑惑」を捜査しようという特検法に拒否権を行使した大統領…。
結局のところ、韓国文化の水準にはるかに及ばない「政治の遅滞」こそ問題だ。いつかは「K政治」が誇らしくなる日も来るのだろうか。はるかな未来のように思えて心配である。