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[寄稿]コリアン・ディアスポラ描いたドラマ「パチンコ」をKドラマと捉える見方

登録:2022-04-07 06:42 修正:2022-04-08 08:10
チョン・フソク|ニューヨーク州弁護士・ドキュメンタリー『ヘロニモ』監督

 予告編を見ただけでもわくわくする作品があります。ひと月前、アップルTVプラスのドラマシリーズ「パチンコ」の予告編を見た時が、まさにそうでした。大事にとっておいて後で見たい気持ちです。「パチンコ」そのものも興味深かったけれど、私はある示唆点に注目したいと思います。それは、コリアン・ディアスポラが彼らの物語を自分の居住国で制作し、母国の韓国に紹介する「視点の転換」が行われたことです。

 「パチンコ」は韓国-日本-米国で繰り広げられる在日(在日コリアン)4代の家族史を描いた大叙事ドラマです。「パチンコ」の原作は日本に数年間滞在したことのある在米韓国人が書き、監督2人と製作者もやはり在米韓国人で、俳優たちもほとんどが在米韓国人や在日コリアンです。しかも世界的なオンライン動画サービス(OTT)企業のアップルTVプラスが直接投資や製作、配給を担当して世に出した、今年一番の野心作の一つが、まさに在米韓国人たちの作った在日コリアンの話であることは、驚くべき出来事だと言っていいかもしれません。

 しかし、最近「パチンコ」をKカルチャー、Kドラマの一つとして報道する記事を見て、やや違和感を感じました。「パチンコ」の主な背景と歴史が朝鮮半島であることは否定できませんが、私は単に韓国と関連のあるすべての物語に対し、とりあえず「韓国のもの」だと主張する心理の裏を覗いてみたいと思いました。「韓国的なものは韓国のものだ」という無批判的な大命題に、待ったをかけたいと思ったのです。その心理の裏には、根本的にディアスポラの存在と彼らの世界観に対する無知、あるいは彼らを「語る主体」ではなく「辺境の客体」として認識してきた長い慣習などが働いたのではないかというのが、私の考えです。

 ユダヤ系アメリカ人のスティーブン・スピルバーグの作品『シンドラーのリスト』を通じてホロコーストがよく知られたといって、あるいはイタリア系米国人のフランシス・フォード・コッポラの『ゴッドファーザー』を通じてイタリアン・マフィアの存在が有名になったといって、イスラエルとイタリアがこれらの作品を「自分のもの」と主張することはないのと同様に、コリアン・ディアスポラ創作者たちの持つ創作観とその作品は、完全に「彼らのもの」でしょう。これまで朝鮮半島の外の世界の「同胞」としか思っていなかった彼らが、ディアスポラ的コンテンツを直接語る主体になったということです。

 実際、在外同胞たちはすでに以前から自分の場所で自分の物語を語ってきました。昨年話題になった映画『ミナリ』や、中国朝鮮族の話を取り上げたチャン・リュル監督の『豆満江』、在日コリアンのヤン・ヨンヒ監督の『ディア・ピョンヤン』、100人余りの韓国出身の養子に対するインタビューをもとに作られたグレン・モリ監督のドキュメンタリー『サイド・バイ・サイド』など、本当に多くの文学と映画が存在します。私たちが知らなかっただけです。これからは、ディアスポラの物語が海外の資本や国内創作者とのコラボレーションを通じて世界と共有されるクロスオーバーがさらに増えるでしょう。

 そのためには、今からでも在日コリアン、中国朝鮮族、高麗人(カレイスキー)、北郷民(北朝鮮出身で韓国に移住した人)、南米在住韓国人、韓国から海外に養子に出された人たちはもちろん、大韓民国に移住してきた他のディアスポラの存在と、彼らが持っている物語を、大韓民国が「私有化」しようとするのは無益だと考えてほしいと思います。もはや韓国的なものが韓国だけのものではない時代であることを自覚する時が来たようです。同質的でありながら異質的で、どこか懐かしいけれど見慣れないディアスポラの物語を、ありのままに認める時、朝鮮半島の文化の底辺と思惟の深さはさらに広がるでしょう。

//ハンギョレ新聞社

チョン・フソク|ニューヨーク州弁護士・ドキュメンタリー『ヘロニモ』監督(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/because/1037840.html韓国語原文入力:2022-04-07 02:36
訳H.J

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