龍山(ヨンサン)の大統領室への進入を試みて逮捕された韓国大学生進歩連合(大進連)に所属する10人の学生に対する拘束令状が、すべて棄却された。大進連は「そもそも無理な令状だった」と批判した。
ソウル西部地裁のソン・ギョンホ令状専門部長判事は9日、暴力行為等の処罰に関する法律違反(共同住居侵入)などの疑いが持たれている大進連所属の10人の学生に対する拘束前被疑者尋問(令状実質審査)を行い、拘束令状を棄却した。ソン判事は「集団的暴力行為を計画したり実行したりはしておらず、被疑者は犯行の経緯と内容、客観的事実関係を認め、今後の捜査と裁判に誠実に出席することも誓っている」とし、「拘束理由や必要性を認めることは難しい」と棄却理由を説明した。
大進連のメンバー20人は6日、ソウル龍山の大統領室前に集まり「キム・ゴンヒを特検せよ」などのスローガンを叫びながら面談を要請し、検問所などから進入を試みた疑いでで警察に逮捕された。警察は翌日に16人の拘束令状を申請したが、検察はこのうち10人に対してのみ拘束令状を請求した。
拘束令状がすべて棄却されたことで、そもそも無理な捜査だったとの批判は避けられなくなった。警察は彼らに対する令状を請求するために「集団侵入事件が発生すれば銃器を使用したり誤認射撃などの不意の事故が起きうる」と、起きてもいないことを仮定して拘束の必要性を強調する一方、学生たちが制止する軍人の「指を折った」と主張したほか、大統領室は事実上軍事施設に当たるとして公務執行妨害や軍事基地および軍事施設保護法違反容疑などを追加した。
大進連の弁護人は「より重い罪に見せようと企てたが、実際は何の暴力行為もしておらず、やっていたこと(デモ)をやっていただけだ」とし、「しかも良心犯なので逃走の恐れもなく、現場はすでに監視カメラ(CCTV)で撮影されているため証拠隠滅の恐れもない」と語った。
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この日、令状実質審査に先立ち記者会見をおこなった大進連は、「キム・ゴンヒ特検法を拒否した大統領室に面談を要請したが、警察は20人全員を暴力的に連行し、大量拘束を試みた。キム・ゴンヒ特検と尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の退陣を求める国民の口を塞ごうというもの」だと批判した。