「(ガザ市の)アル・シファ病院前で救急車が攻撃されたという報道に驚愕した。イスラエルでハマスが犯した恐ろしい攻撃も忘れていない」
アントニオ・グテーレス国連事務総長は4日(現地時間)、声明を発表し「ガザ地区のどこも安全ではない」と嘆いた。グテーレス総長は即時停戦を繰り返し求めたが、イスラエル軍のガザ地区に対する大規模攻撃による民間人被害は後を絶たない。
グテーレス事務総長が言及した救急車攻撃事件は前日の3日に起きた。パレスチナ赤新月社(PRCS)は同日、救急車1台がアル・シファ病院入口の2メートル先で、さらに保健部所属の救急車が約1キロメートル離れたところで、ミサイル攻撃を受けたと発表した。イスラエルはアル・シファ病院付近における救急車への空爆について「(パレスチナのガザ地区を統治する武装勢力)ハマスがテロ工作員と武器を救急車で運ぶという情報を持っている」とし、「該当地域は戦場だ。民間人には退避するよう繰り返し求めてきた」と空爆を認めた。
イスラエル軍がハマス撲滅を掲げ、1カ月にわたり民間人居住地域を含め無差別空爆を浴びせており、人命被害が続出している。
ガザ地区の保健省は4日基準で、先月7日以来ガザ地区での死亡者が9488人に達したと発表した。このうち子どもが少なくとも3900人であり、女性の死亡者も2509人にのぼる。これまでの負傷者は子ども6360人を含め2万4158人。イスラエル側の被害は死亡1430人、負傷約5600人の規模だ。イスラエル側の死亡者の大半は、先月7日のハマスの奇襲攻撃の際に発生した。その後はイスラエル軍の一方的な攻撃が行われており、死傷者もほとんどがガザ地区で発生している。ニューヨーク・タイムズ紙が3日、衛星写真などを通じて分析した結果によると、イスラエル軍は先月31日、2000ポンド(907キログラム)規模の大型爆弾2発でガザ市北部の民間人密集地域のジャバリヤを空爆したこともある。専門家たちは「ジャバリヤのように人口密度が高い地域で、イスラエルが意図した目標が果たして民間人の死亡を正当化できるかをめぐり疑問の声があがっている」と批判した。
国連人道問題調整事務所(UNOCHA)は同日、先月7日に戦争が始まってから約1カ月のあいだにガザ地区で150万人の避難民が発生したと発表した。UNOCHAの集計によると、このうち約71万人は国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が運営する149施設に留まっており、12万2千人余りは病院、教会、その他の公共建物に避難しているという。