韓国の航空会社は円安で日本旅行の需要が増えていることを受け、韓日路線を増やしたりプロモーションを積極的に行ったりしている。一方、韓中関係の悪化で旅行需要が減った中国路線は運航回数を減らしており、弾力的な対応を取っている。
済州航空は26日、7~8月の夏の繁忙期を控え、日本、東南アジア、オセアニアなどの人気路線を中心に、国際線で760便を増便すると発表した。特に円安で旅行経費の負担が減った日本路線は、168便を増便する計画だ。来月13日からは仁川(インチョン)~広島路線も新規就航する。運行回数は週3回。
ジンエアーは、仁川~北九州路線の往復航空券を事前購入する顧客には運賃を最大18%割引するほか、日本行きの航空券を購入したすべての顧客にドン・キホーテでの免税品購入時に使用できる5%割引クーポンを進呈するキャンペーンを実施する。
航空会社のこのような動きは、コロナ禍の終了に夏休みの繁忙期、円安が重なり、日本旅行の需要が日増しに増加していることに伴う対応だ。航空業界の関係者は「現在、中国路線に入るべき運航回数などが予想よりも増えていないため、需要が多い路線の便を増やす傾向にある」と語った。
実際に、韓中関係の悪化などで中国旅行の需要が減っていることを受け、航空業界は韓中路線の一部を減らしたり、今以上に増やしたりしない傾向にある。国土交通部の航空情報ポータルシステムの航空統計によると、今年1~5月の中国路線の利用客数は120万6374人で、コロナ禍以前の2019年同期(721万3038人)の5分の1にも満たない。一方、今年1~5月の日本路線の利用客数は697万2453人を記録した。
大韓航空は金浦(キンポ)~北京路線の運航を8月1日から休止する。仁川~廈門路線も8月9日から運航を休止。同社は夏の飛行スケジュールが終わる10月28日まで運航休止を続ける予定だ。大韓航空の中国路線の運航回数は現在、コロナ禍前の2019年6月の週294回の3分の1ほどの週95回にとどまっている。コロナ禍前には週218回だったものが現在は週144回にまで回復している日本路線に比べて回復速度が遅い。
アシアナ航空も7月6日から金浦~北京路線を、7月8日からは仁川~深セン路線の運航を休止する。仁川~西安路線はすでに20日から休止している。
韓国籍の航空会社が韓中路線の一部を休止するというニュースが報じられると、中国官営メディアは「尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が中国との関係改善の意志を示さないことで、航空会社の中国旅客需要に対する確信が低下したため」とする分析記事を掲載した。26日付の中国官営メディア「グローバル・タイムズ」で、中国社会科学院国家国際戦略研究所の董向栄研究員は「韓国政府は親米・親日路線に偏った外交政策を展開しているため、中国とロシアとの関係が悪化し、朝鮮半島の緊張に対する国内の懸念を呼び起こしており、明らかな悪影響を招いている」と述べた。そして「韓国は中国の観光客にとってそれほど魅力的でない旅行地となった。韓国の免税店と観光地に中国人旅行客が押し寄せるのを再び見るのは難しい」と述べた。