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韓国外交部、強制動員被害者に「韓国企業の寄付で賠償金肩代わりする案が有力」と通知

登録:2022-12-27 06:42 修正:2022-12-27 07:08
日帝強制動員問題の解決策をめぐり、被害者代理人団および支援団体が26日、ソウル龍山区の植民地歴史博物館で記者会見を行っている。左からキム・ヨンファン民族問題研究所対外協力室長、イム・ジェソン、キム・セウン弁護士/聯合ニュース

 韓国外交部が最近、日帝強制動員被害者側に日本の戦犯企業ではなく韓国企業の寄付だけで賠償を肩代わりする案を強制動員問題解決の「有力な案」として通知したことが分かった。これに対し被害者側は「日本を免責させる案」だとして反発した。

 日帝強制動員被害者支援団体と被害者法律代理人団は26日、ソウルと光州(クァンジュ)で同時に記者会見を開き、「先週外交部側から強制動員問題に対する韓国政府の有力な案を聞いた」とし、このように明らかにした。被害者側によると、外交部が通知した案には、日帝強制動員被害者支援財団(支援財団)が韓国企業の寄付を募って財源を調達し、日本企業を相手に勝訴確定判決を受けた被害者に賠償金相当額を支払う内容が盛り込まれていたという。支援財団は日帝強制動員被害者、犠牲者、遺族に対する福祉を支援するために2014年に韓国政府と企業が設立した機関だ。

 被害者側は韓国政府のこの案を受け、日本政府と被告企業の謝罪や日本の被告企業の賠償などの内容が全く含まれていないと反発した。彼らは会見で「韓国政府の有力案は、日本政府が2018年の最高裁判決から一貫して主張してきた『韓国側が解決策を示すべき』という要求がそのまま貫かれた、0対100の外交的敗北であり惨事」だとしたうえで、「三菱重工業や日本製鉄のような日本の被告企業の謝罪や拠出がないだけでなく、日本の他の企業の拠出さえない、文字通り日本を免責させる案」だと批判した。最高裁(大法院)の確定判決を受けた15人の被害者側は同日、支援財団主導の補償を拒否し、これを無効化する各種訴訟を提起する方針を示した。

 韓国政府はこれまで、被害者が日本側に要求してきた謝罪と基金への参加など「誠意ある呼応」を求めてきた。だが、両国の対立が長引く中、日本がなかなか期待していた動きを見せないことを受け、2018年10月の最高裁の確定判決で日本企業が被害者にすべき慰謝料を支援財団が肩代わりする内容の「先制措置」を取ることに決めたものとみられる。韓日関係正常化に向けアクセルを踏んでいる尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が、被害者側の意見を反映しないまま強制動員問題の幕引きを図ろうとしているという分析もある。日帝強制動員市民の会のイ・グゴン代表は本紙との電話インタビューで、「尹政権が韓米日安全保障協力に追われ、急いで決めたのではないかと思う」と語った。

 外交部は、同案が事実上の政府の解決策だと確認し、被害者を説得していくと明らかにした。外交部当局者は同日、東京で記者団に対し、「被害者側が望むのは被告企業の直接賠償と謝罪だが、最善の努力で政府案を作っても、原告側の基本的立場に照らしてみれば不十分だろう」とし、「政府案を(公式)発表した後、政府がどのように努力してきたのか、『期待に沿えないかもしれませんが、この程度の解決策が出ました』ということを一人ひとりに説明しながら理解と同意を求めていく」と述べた。外交部アジア太平洋局のソ・ミンジョン局長は東京で、日本外務省の船越健裕アジア大洋州局長と会談し、強制動員被害者賠償問題などについて協議した。

シン・ヒョンチョル記者、東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1073243.html韓国語原文入力: 2022-12-27 00:53
訳H.J

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