ウクライナ北東部のハルキウ州の大部分を奪還したウクライナ軍が、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が今回の戦争の名目として掲げた東部ドンバス地域への攻撃を拡大する準備をしている。南部のヘルソン州とザポリージャ州でも激しい攻勢を行い、ロシア軍は窮地に追い込まれている。
ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、13日(現地時間)夜の国民向け演説で、ウクライナ軍がこの日までに奪還した領土は8000平方キロメートルだと明らかにした。これは、本人が前日に東部と南部で奪還したと明らかにした領土の6000平方キロメートルより約2000平方キロメートル多い数字だ。ゼレンスキー大統領はさらに、ロシア軍から奪還した地域の半分ほどで「安定化措置」が完了したと説明した。
ハンナ・マリャル国防次官は、先週奪還した主要な橋頭堡であるハルキウ州バラクリアを訪問した際、15万人の住民をロシア軍から解放したと述べた。マリャル国防次官は「私たちの目標は、ハルキウ州とその向こうのロシア軍が占領した地域全体を解放すること」だと付け加えた。
その言葉通り、ウクライナ軍は、隣接するドンバス地方のルハンスクに攻勢を拡大する用意をしている。ルハンスク州のセルヒー・ハイダイ知事は、ロシア軍が州の一部地域からも撤収を始めたことを明らかにしたと、DPA通信が報じた。ハイダイ知事は「(ルハンスクの都市である)クレミンナは今日、完全に空っぽになった。警察もおらず軍司令部も人がいない。全員逃げた」とし、現地のウクライナ抵抗勢力が市内に国旗を掲げたと述べた。知事の発言は、前日にウクライナ軍が近隣の村であるピロホリウカを攻撃し占領したことが報じられた後に出たもの。
クレミンナとピロホリウカは、ルハンスク州の主要都会であるセベロドネツクとリシチャンシクの周辺に位置する村だ。ロシア軍は、6月から1カ月以上両都市を包囲した後に占領している。ウクライナ軍が両都市の近くまで近づいたことによって、戦闘の焦点はハルキウからドンバスに移る見込みだ。
南部のヘルソン州とザポリージャ州の一部地域からも、ロシア軍が撤収を始めたという主張が出てきた。ザポリージャ州で2番目に大きい都会であるメリトポリのイバン・ペドロフ市長はSNSを通じて、3月初めにメリトポリを占領したロシア軍が撤収を始めたと主張した。市長はロシア軍の車両がメリトポリの南側のクリミア半島に移動したという報告が入ってきたと明らかにしたが、その主張はまだ確認されていないとAP通信が報じた。
ウクライナ軍所属の「カホフカ作戦グループ」は、ヘルソン州最大の都会ヘルソン市の北東に位置する13の村を奪還したと主張した。ヘルソン市とその周辺地域は、ドニプロ川を境にヘルソン州の残りの地域と分かれている。現地のロシア軍は、ドニプロ川の橋梁が破壊され補給経路を十分に確保できず、困難に直面している。米国のシンクタンク「戦争研究所(ISW)」は、ウクライナ軍がこの地域でかなりの戦果を上げ、ロシア軍の戦力は徐々に弱められていると分析した。
ロシア軍が東部と南部の各地から後退するにつれ、彼らが発電所などのエネルギー関連の基盤施設を集中的に破壊する作戦を展開するのではないかという懸念の声が出ている。ウクライナのミハイル・ポドリャック大統領補佐官は、ロイターのインタビューで、「東部地域で電力と暖房供給の施設が相次いで爆撃された」とし、「このような攻撃がこのまま続くと予想される」と述べた。一方、ロシア国防省のイゴール・コナシェンコフ報道官は、自国軍がすべての地域で大規模な空襲による反撃を加えていると主張した。しかし、それを立証する情報は入っていないとAP通信は指摘した。