5月10日に国会で行われた尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領就任式に、30人あまりにおよぶ極右ユーチューバーやチャンネル関係者が招かれていたことが確認された。
18日に本紙が確保した大統領就任式の招待者名簿を確認すると、イ・ボンギュTV、時事倉庫、時事ファイター、ノアラTV、チャクチTV、愛国巡察チーム、カロセロ(横縦)研究所、自由青年連合、正義具現パク・ワンソクの関係者たちが「女史」の推薦で大統領就任式に招かれていた。尹大統領の妻のキム・ゴンヒ女史が招待したということだ。推薦人が示されていない人物まで含めれば、名簿で確認できるユーチューバーの数は30人あまり。
彼らが運営するチャンネルでは「怪しい左翼勢力の動きを捕捉」、「イ・ジュンソク捜査に弾み」、「文在寅(ムン・ジェイン)はもうおしまい、中央地検の手が伸びている」と題するコンテンツを放送している。野党を強く誹謗する内容が多くを占める。大統領室のカン・スンギュ市民社会首席は5日、イ・ボンギュTVに出演し、尹大統領が休暇中にナンシー・ペロシ米下院議長に会わなかった理由を説明してもいる。
文在寅前大統領の暮らす平山村(ピョンサンマウル)でのデモを主導した極右ユーチューバーのアン・ジョングォン氏と、大統領室での勤務歴のあるアン氏の実姉も、招待者名簿で「女史推薦」に分類されている。自称「極右大統領」のアン氏は、もともと運営していたチャンネル「GZSSTV」と「GZSSチーム」が野党勢力に対する極端な嫌悪発言のせいで永久閉鎖された前歴がある。
また、自由統一党、李承晩(イ・スンマン)建国大統領記念事業会、自由青年連合、自由日報の主筆も「女史推薦」で就任式に招かれていた。文在寅前大統領の支持勢力だったものの、大統領選挙の際にイ・ジェミョン候補に反対し、尹錫悦候補を支持した「覚醒した市民連帯党」の関係者も招待されていた。
尹大統領と長い付き合いがあり、子女の大統領室勤務で話題になった古い知人たちも招かれていた。江原道東海(トンヘ)で電気工事業を営むH氏は「女史推薦」で、江原道江陵(カンヌン)のある通信設備業者の代表で元江陵市選挙管理委員だったU氏は「大統領推薦」で招かれていた。H氏の息子は市民社会首席室の行政官として勤務中。U氏の息子は大統領室の行政要員として勤務していたが、私的採用に対する批判の声があがったことから辞職している。
尹大統領の就任式にキム・ゴンヒ女史とかかわりのある不適切な人物が招待されていたことが明らかになったのは、今回が初めてではない。本紙は16日、キム女史の母親のC氏が2013年に京畿城南市島村洞(ソンナムシ・トチョンドン)の土地を購入する過程で、通帳残高証明書を偽造した疑いでC氏と共に有罪判決を受けたK氏が、キム女史の推薦で就任式に招かれていたことを報道している。その他にも、株価操作にキム女史が関与していた疑いのあるドイツモーターズのクォン・オス前会長の息子のクォン・ヒョンミン代表をはじめ、クォン前会長夫人のA氏、副社長のO氏も招かれていたことがリストから確認されている。