尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の配偶者のキム・ゴンヒ女史が、先週7つの公式日程をこなし、積極的な活動を行っている。特に故盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の自宅がある烽下村(ポンハマウル)訪問直後、「陰の実力者」との話題まで持ち上がり、国民の力内部でも対策が必要だという声が上がっているにもかかわらず、意にも介さない様子だ。株価操作や経歴詐称など、キム女史をめぐる疑惑が全く消えたわけではない状態で、大統領選挙期間に自ら行った「静かな内助」の約束を、平然と破ろうとする態度は残念だ。
先週、キム女史は多忙だった。12日には尹大統領とともに映画『ベイビー・ブローカー』を観覧した後、映画関係者たちとの晩餐会に同席した。13日には烽下村を訪問し、故盧元大統領夫人のクォン・ヤンスク女史を表敬訪問した。14日には国民の力の重鎮議員の夫人たちと昼食会を開き、16日には故全斗煥(チョン・ドゥファン)氏夫人のイ・スンジャ氏とも面会した。17日には文在寅(ムン・ジェイン)前大統領夫人のキム・ジョンスク女史に会った後、国家有功者と報勲家族招請昼食懇談会に出席した。18日には殉職した操縦士シム・ジョンミン少佐追悼音楽会に出席した。
単なる日程とは言い切れない面がある。クォン女史と会って映画『弁護人』について交わしたという話には政治的メッセージが含まれており、「知人」を同行させたことで波紋が広がった後も、国民の力所属議員の夫人たちと会い、「ボランティア会に積極的に参加する」と述べた。就任後、韓国の国内マスコミとはまだ個別インタビューを行っていない尹大統領に先立ち、13日には「ソウル新聞」と単独インタビューを行い、特定の分野に「寄与」したいという意思も表した。
キム女史は大統領選挙期間中、自ら「静かな内助」を約束し、当時尹大統領も「大統領府第2付属室の廃止」「領夫人(大統領の夫人)という言葉は使わない」と公約した。だが、最近の活動は、その約束が「その場しのぎ」の発言だったのではという疑念を抱かせる。特にファンクラブを通じた公式写真の流出などは、ファンダム政治に頼って、疑惑が解消されていない状態でも公式活動の道を広げようとしているのではないかとの批判を免れない。19日、龍山(ヨンサン)大統領室移転記念の子ども・住民招待行事に出席しなかったことは、このような批判を意識したのかもしれないが、最近の行動からはキム女史の「活動」を既成事実化しようとする思惑がはっきりと見て取れる。
韓国ギャラップが17日発表した世論調査で、尹大統領に対する否定的な意見の割合が先週より5ポイント高くなった。「キム・ゴンヒ女史の活動」もこのような意見の理由として初めて登場した。尹大統領と大統領室がキム女史の「リスク」をきちんと認識しているのか、心配だ。