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[社説]悲惨指数はこの21年で最高、「国民生活国会」早急に稼動を=韓国

登録:2022-06-21 03:59 修正:2022-06-21 07:18
長期にわたり国会の空白が続いている中、20日午前、ソウル永登浦区汝矣島洞の国会構内循環道路は行き来する車も少なく、閑散としている=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 17日(現地時間)の米ニューヨーク市場では原油先物価格が大幅に下落したが、20日の韓国総合株価指数(KOSPI)は2.04%下落し、終値は2391となった。コスダック指数は3.6%もの急激な下落を示し、769.9で取引きを終えた。投資家の懸念の対象は金利引き上げから今や景気後退へと移りつつある。今も庶民の苦しみは小さくない。米国イェール大学で教授を務めた経済学者、アーサー・オークンが着眼した「悲惨指数」は消費者物価上昇率に失業率を加えたものだが、韓国の5月の同指数は8.4で、5月現在でここ21年の最高値だ。このように状況が悪化しているにもかかわらず、政府の対応はまったく頼りにならない。

 政府は減税措置で物価上昇を抑制しようとしている。文在寅(ムン・ジェイン)政権時代の昨年11月12日に6カ月の期限付きで20%引き下げられた油類税は、政権引き継ぎ委員会の要請により、5月から引き下げ幅が30%に拡大した。政府は19日に非常経済長官会議を行い、7月から油類税の引き下げ幅を37%へと拡大することを決めた。ひと月に数千億ウォンの減税となるが、燃料価格の上昇幅があまりにも大きく、消費者は政策の効果をほとんど体感できずにいる。政府は食卓物価を安定させるために豚肉など14品目の関税を引き下げると5月30日に発表しているが、これらもまた効果を体感しにくいものだった。

 政府が力を入れている経済政策の方向性は、当面の問題解決とはあまりにもかけ離れている。政府は与党の支持層を意識して保有税を大幅に引き下げるほか、法人税の最高税率も22%に引き下げることで100あまりの大企業に対しても減税を実施する予定だ。税収減少は政府の財政政策の身動きの幅を大きく狭めばかりになるだろう。

 いま行っている物価抑制のための減税も、主に恩恵が回るのは高所得層だ。そのため、生活物価の上昇によって非常に苦しめられている脆弱階層を直接支援せよという要求が強い。しかし、5月末の第2次補正予算で史上最大規模の前借りによる補正予算を編成した政府と与党は口をつぐんでいる。燃料費の上昇で大規模な赤字を出している韓国電力の電気料金は引き上げが避けられないが、政治攻防に巻き込まれ決定が漂流している。国民生活立法と予算をめぐって、与野党の生産的な議論がいつにも増して切実に求められている。

 このような状況で国会が20日以上も開店休業状態であるのは無責任極まりない。法制司法委員長の座をめぐって与野党が対立する間にも、国民の苦しみは深まっている。与野党いずれも状況を直視し、両者とも一歩引いて迅速に「国民生活国会」を稼動させるべきだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1047766.html韓国語原文入力:2022-06-20 18:16
訳D.K

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