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不景気の崖っぷちに立たされた日本「100円ショップが消えていく」

登録:2022-06-15 06:20 修正:2022-06-15 07:26
東京外国為替市場で円相場が今月13日、一時1ドル=135.22円付近まで下落し、1998年以来24年ぶりの最安値を記録した=東京/ロイター・聯合ニュース

 円相場が24年ぶりに最低水準を記録するなど「円安」の流れが加速化し、日本の経済事情が悪化している。原油や穀物など世界的な原材料価格の急騰に円安まで重なり、日本の中小・零細企業と家計が直撃を受けている。

 13日、東京外国為替市場で円相場は一時1ドル=135.22円付近まで下落し、1998年以来24年ぶりの最安値を記録した。14日午後3時29分基準で1ドル=134.5円で取引された。3月1日の115.07円から3カ月で20円も下落した。鈴木俊一財務相は同日、閣議後の記者会見で、「急速な円安の流れを懸念している」とし、「外国為替市場の動向や経済・物価などへの影響をさらに緊張感を持って注視している」と述べた。

 今回の急速な円安には、米国の5月の消費者物価指数の上昇率が予想より高く、連邦準備制度理事会(FRB)が基準金利の引き上げに拍車をかけるだろうという見通しが大きな影響を及ぼした。

 これからも日本経済に打撃を与える「悪い円安」の流れが続く可能性が高い。米国はインフレに対抗して金利引き上げに乗り出しているが、日本は「ゼロ金利」政策を固守しているためだ。日銀の黒田東彦総裁は7日、「強力な金融緩和を粘り強く続ける」と述べた。日本の産業競争力が低下している中、米国と日本の金利差が拡大すれば、円安の流れを防ぐのは難しい。

 新型コロナパンデミックで内傷が深刻な中小企業や零細企業は円安で原材料の輸入費用がさらに上昇し、崖っぷちに立たされている。企業情報大手の「帝国データバンク」の資料によると、先月全国で倒産した企業件数は517件で、昨年同月より12.1%増えた。この数値が増えたのは2020年7月以降1年10カ月ぶり。倒産企業の大半が中小企業だ。

東京で「100円ショップ」9店舗を運営する「プロディア」は今月1日、ホームページにて「グループの店舗はすべて閉店した」と知らせた。閉店に伴う在庫整理の案内文が貼られている=プロディアのソーシャルメディアよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 安価な商品を集めた「100円ショップ」や銭湯、クリーニング店など中小企業や零細企業等の廃業が目立って増えている。東京で「100円ショップ」9店舗を運営する「プロディア」は1日、ホームページにて「グループの店舗はすべて閉店した」と知らせた。 16年間にわたり東京文京区でプロディアの店舗を任されていた店長は「朝日新聞」に「ほとんどの商品の仕入れが値上げになった。こんなことはこれまでになかった」と語った。100円で物を売れない状況になったためだ。4日に廃業した東京中野区にある銭湯の社長は同紙に、コロナ禍で利用者がピーク時の3分の1まで減った上、燃料の高騰などが原因で、「最後はガス代を払うために商売しているようなものだった」と話した。東京では毎月銭湯1~2軒が廃業しているという。

 食品や電気、ガス、交通、外食など消費者物価も軒並み上昇している。帝国データバンク調査によると、今月基準で企業105社がラーメンや食用油、飲料など6285品目の値上げに踏み切った。7月以降も3000以上の商品価格が値上がりする予定だ。今年4月、日本の消費者物価指数は2.1%(生鮮食品を除く)上昇し、2015年3月(2.2%)以来7年1カ月ぶりの最高値となった。

東京/キム・ソヨン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1046945.html韓国語原文入力:2022-06-15 02:30
訳H.J

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