韓国の自動車部品の中国依存度がますます高まっているという分析が出てきた。特に電気自動車の主要部品であるバッテリーの素材・原材料の中国依存度は60%以上に達し、サプライチェーンの多角化の必要性が提起されている。新車出庫遅延の主犯と言われる自動車用半導体の需給難は、今後2~3年はさらに続くとみられている。
産業研究院のチョ・チョル研究委員は14日午前、ソウル市瑞草区(ソチョグ)の自動車会館で開かれた自動車産業発展フォーラムで「米中紛争と新型コロナの影響にもかかわらず、グローバル・サプライチェーンの中国依存は高まっている」として「韓国の自動車部品も日本への依存度は減っているが、中国への依存度は増加している」と話した。韓国国内における自動車部品輸入国のうち、中国の比重は2000年は1.8%にすぎなかったが、今年1~4月には36.2%まで増えた。一方、日本の比重は2000年の45.5%から今年1~4月には11.1%に減った。
チョ研究委員は、電気自動車の主要部品であるバッテリーの素材と原材料の中国依存度が高い点も指摘した。バッテリーの4大素材の1つである陰極材は83%を中国に依存している。韓国貿易協会によれば、残りの陽極材、電解液、分離膜もそれぞれ60%以上を中国に頼っている。バッテリーの原材料である黒鉛(100%)、マンガン(93%)、コバルト(82%)、ニッケル(65%)、リチウム(59%)も同様だった。チョ研究委員は「電気自動車時代へと進む中で、中国依存度が高まる部分が心配だ」として「韓国国内の供給環境を強化する一方、サプライチェーンに関連する地域の多角化が必要だ」と話した。
自動車用半導体の需給難が長期化する恐れがあるとの憂慮も提起された。崇実大学のイ・ソンス教授(情報通信電子工学部)は「自動車用半導体メーカーは新型コロナにより車の需要が増えないと判断した後に減産したが、車の需要が思った以上にはやく回復した」として「現在リードタイム(注文から納品までにかかる時間)が50~80週であり、大幅に延びた」と話した。
同教授は、エコ発電の需要拡大により自動車用半導体の不足状況が今後少なくとも2~3年は続くとみている。「電気自動車に使われる電力・バッテリーの半導体は、グリーンエネルギー分野の半導体と生産基盤を共有している」として「太陽光・風力発電分野にもばく大な量の半導体が使われるが、その需要が増えれば自動車用半導体がまた優先順位から下がる可能性がある」と説明した。
自動車用半導体は、開発の難易度が高いが収益性は低く、新しい企業が進入しにくい分野に挙げられる。NXP(オランダ)やインフィニオン・テクノロジーズ(ドイツ)など7社の企業が全体の80%を占める寡占市場だ。イ教授は「自動車用半導体は、市場は大きくないが自動車産業保護のための主要素材を確保するものと考えて欲しい」として「収益性より戦略的アプローチが妥当だ。韓国国内の自動車メーカーに安定的に自動車用半導体を提供できるよう、設計・生産のインフラを国内に定着させる必要がある」と話した。