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WHO、中国のゼロコロナを公開批判…「持続不可能」

登録:2022-05-12 03:06 修正:2022-05-12 08:50
9日、中国の上海で、隔離施設から解放された男性が寝具類と荷物を自転車に積んで立っている=上海/EPA・聯合ニュース

 世界保健機関(WHO)は10日(現地時間)、中国の「ゼロコロナ」政策は持続可能ではないと公開で指摘した。同日、40日以上封鎖を続けている中国の上海市は、共に努力すればゼロコロナを実現できると表明した。

 WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長はこの日、スイスのジュネーブで行われたメディアブリーフィングで「ウイルスの様態と今の私たちの将来予想を考慮すると、それ(中国のゼロコロナ政策)が持続可能だとは思わない」とし、「私たちは中国の専門家たちとこの問題を議論し、そのようなアプローチは持続可能ではないという意思を表明した」と語った。

 テドロス事務局長は「他の戦略へと転換することが非常に重要だと考える」とし「私たちは新型コロナウイルスについてより多くを知ったほか、ウイルスと戦ううえでより良い手段があるため、戦略の転換が必要な時だ」と述べた。ブリーフィングに参加したWHOの緊急対応の責任者マイク・ライアン氏も、中国のゼロコロナ政策は社会、経済、人権に及ぼす影響が考慮されるべきだとして、否定的な立場を示した。WHOが特定の国家の防疫政策に対して否定的な意思を明らかにしたのは異例だ。

 中国は2020年のコロナ禍序盤から、強力な封鎖と隔離を基礎としたゼロコロナ政策を固守してきた。昨年末まではこの政策が効果を発揮し、他のどの国よりも感染者と死者の数が少なかったが、今年に入ってオミクロン株が広がったことで、困難に直面している。

9日、上海で、ある男性がシェア自転車を押しながら封鎖区域の前を通り過ぎている=上海/EPA・聯合ニュース

 人口2500万人の上海市は、3月末から都市全体を封鎖する強力なゼロコロナ政策をとっているが、依然として1日に2000人あまりの感染者が発生している。このため、中国の住民の不満はもとより、世界経済が打撃を受けるだろうとの懸念も高まっている。

 中国の態度は当面変わらないとみられる。同日、上海の防疫当局が開いた記者会見で、同市防疫センターのシュン・シャオドゥン副主任は「封鎖を長く続けたにもかかわらず、なぜ感染者が出続けているのか」との問いに、「個人が運にかけてわざと検査を避けたり、防疫措置が及んでいないなどの理由で、防疫政策の効率が落ちている」とし、「防疫政策に対して引き続き理解と協力を願う。共に努力してゼロコロナを実現しよう」と語った。同氏は「ほとんどの感染者が隔離区域内で発生している」とし「感染者の90%以上が都市中心部や外郭の住居地域に住んでいるが、この地域は古い地域で、共同キッチンや共同トイレを使っているなど、ウイルス感染が起こりやすい地域」だと述べた。

 中国衛生健康委員会の11日の発表によると、上海市の10日現在の感染確認数は1487人。前日の9日の感染確認数2858人の半数ほどにまで減少している。

北京/チェ・ヒョンジュン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1042371.html韓国語原文入力:2022-05-11 10:46
訳D.K

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