ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が8日(現地時間)、第2次世界大戦の犠牲者を悼む「和解と追悼の日」を迎え、自国を攻撃したロシアを強く糾弾した。ウクライナは2015年から5月8日を「和解と追悼の日」に指定している。
ウクライナの大統領宮が公開した演説文によると、ゼレンスキー大統領は「毎年この日、われわれは全世界とともに第2次世界大戦の期間にナチズムから地球を救ったすべての人々を称える。『二度と繰り返されてはならない』(never again)と叫ぶ。しかし2月24日未明、数百のミサイルによってウクライナ全体が攻撃され、『never』という単語が消えた」と、嘆きとともに述べた。
ゼレンスキー大統領はロシア軍をナチスに喩え、ロシアとナチスの戦争目的は事実上同じだと強調した。同大統領は「第2次大戦から数十年が経った今、再び闇がウクライナにやってきた。再び悪魔が帰ってきた。異なるユニフォームを着て、異なるスローガンを掲げているが、目的は同じだった。血のナチズムがウクライナで再建され、それに対する熱狂的な反復が現れている」としてロシアを強く批判した。
同大統領はさらに、ロシアの侵攻がナチスによる犠牲者より多くの犠牲者を生んでいると述べた。「(第2次大戦から)80年が経っても忘れられない残酷な占領地で生き残ったわが国の都市は、再び占領者(ロシア)を見ることになった。占領から2年間でナチスは1万人の民間人を殺したが、占領から2カ月でロシアは2万人を殺した。犠牲者数で世界記録を打ち立てている」とし、これ以上多くの犠牲が出てはならないと糾弾した。この日の前日の7日、ウクライナ東部のルハンスク地域では、学校がロシア軍の爆撃を受け、民間人60人余りが死亡した事実が明らかになっている。平和の意味を思い起こさなければならない時期に、ロシアは民間施設を爆撃するという戦争犯罪を行っていると、ゼレンスキー大統領は糾弾した。
一方、第2次世界大戦でナチス・ドイツがソ連に降伏した日の5月9日を戦勝記念日として称えるロシアは8日、数千人の軍人が戦車と装甲車を前面にたてた行進を行い、モスクワで77周年記念行事を準備した。ロシア政府は同日、クレムリン(大統領宮)のホームページを通じて、ウクライナ侵攻を「大祖国戦争」と称し、「ウクライナ参戦勇士の力と健康と長寿を祈る」と論評した。