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ロシア、ウクライナ侵攻後のEUに対する化石燃料輸出額がほぼ2倍に

登録:2022-04-29 01:41 修正:2022-04-29 09:11
ロシアによるウクライナ侵攻後のエネルギー価格急騰により、EUに対するロシアの化石燃料の輸出額が昨年より83%ほど増えているとの分析が示された。写真はロシア中部のウファの精油施設=ウファ/ロイター・聯合ニュース

 ロシアがウクライナに侵攻したこの2カ月の間に、石油などの化石燃料の輸出によってロシアが欧州連合(EU)から稼いだ外貨は、昨年の平均のほぼ2倍に達するとの分析が示された。

 フィンランドのシンクタンク「エネルギー・クリーンエアー研究センター(CREA)」は27日(現地時間)、分析の結果、ウクライナ侵攻からの2カ月間でロシアの原油、ガス、石炭などの化石燃料の輸出額は630億ユーロ(約8兆7000億円)だったと発表した。その69.8%に当たる440億ユーロはEUに対する輸出額だった。このような分析は、ロシア産化石燃料の国際輸送などを追跡したもの。

 英国の日刊紙「ガーディアン」は、昨年のロシアのEUに対する化石燃料の輸出額は1カ月平均120億ユーロだったが、この2カ月間の輸出額はほぼ2倍(約183%)になっていると指摘した。同紙は、ロシアの化石燃料の輸出量はここのところ減少しているものの、エネルギー価格の上昇でより多くの外貨を稼いでいると説明した。報告書の作成を率いたアナリストのラウリ・ミリビルタ氏は、化石燃料の輸出で稼いだ外貨がウラジーミル・プーチン大統領の戦争を支えているとし、戦争を終わらせる唯一の方法はロシア産の化石燃料の輸入を中止することだと指摘した。

 ロシア産の化石燃料の最大の輸入国はドイツ(91億ユーロ)、続いてイタリア(69億ユーロ)、中国(67億ユーロ)、オランダ(56億ユーロ)、トルコ(41億ユーロ)、フランス(38億ユーロ)の順だった。ベルギー、スペイン、韓国も主要輸入国だった。

 報告書は、多くの国がロシア産エネルギーの輸入を忌避したことで、4月に入ってからの3週間のロシアによる原油輸出は1~2月に比べて20%ほど減少したと分析した。ロシアの原油輸出は3月中ばから急速に減っている。一方、液化天然ガス(LNG)の輸出は50%増えており、石炭輸出も20%増加した。ロシア産エネルギーに対する依存度の高いEUの原油輸入は20%、石炭輸入は40%減少した一方で、ガス管によるガス輸入は10%、液化天然ガス輸入は20%増加したと報告書は明らかにした。

 報告書は、欧州の購入者がロシア産エネルギーを忌避しているため、ロシアは他の輸入先探しに努めており、目的地を確定できないままロシアの港をたつ輸送船が急激に増えたと述べた。そして、これまではロシア産原油の輸入が相対的に少ないか、ほとんどなかったインドやエジプトなどへと向かうタンカーが最近目立っていると付け加えた。

 報告書は、主なエネルギー企業や発電企業がロシア産の化石燃料を購入し続けていることが明らかになったとして、エクソンモービル、シェル、トタル、BPなどのエネルギー企業、ドイツのRWE、韓国電力、台湾電力公社、日本の東北電力などの電力会社など23社の名を具体的にあげた。

シン・ギソプ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1040748.html韓国語原文入力:2022-04-28 13:12
訳D.K

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