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尹次期大統領、通勤時に米軍基地を通過…協議も完了

登録:2022-04-25 06:35 修正:2022-04-25 08:19
尹錫悦次期大統領が今月22日、釜山海雲台区の盤松大市場を訪れ、あいさつの言葉を述べている=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 大統領官邸をソウル漢南洞(ハンナムドン)の陸軍参謀総長公館から外交部長官公館に変更し、就任後も約1カ月間、瑞草洞(ソチョドン)の自宅に滞在することになった尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領は、龍山(ヨンサン)の執務室までの通勤途中に米軍基地を経由するものとみられる。

 24日、政権引き継ぎ委員会に対する取材によると、尹次期大統領は瑞草洞の自宅から盤浦大橋を越えて、米軍基地を経て龍山の大統領執務室に入るルートを主な通勤経路として検討している。尹氏の瑞草洞の自宅から龍山の執務室までは6.5キロメートル、車で14分の距離。警察は尹錫悦大統領就任後、瑞草警察署や龍山警察署をはじめ、移動経路によって管轄署で車の移動に合わせて信号機を操作し、交通量を管理することになる。警察関係者は、「警護原則上、当然一つのルートだけでは危険であるため、大統領は2~3つのルートを運用することになる」とし、「現在、瑞草区の自宅から(鍾路にある)引き継ぎ委事務室に通勤しているが、交通混雑の問題は発生していない。国防部は引き継ぎ委より移動距離が短いため、通勤ラッシュさえ避ければ大きな問題はないと思う」と述べた。

 警察の交通統制で移動時間はさらに短くなるが、市民の交通の不便を考慮し、米軍基地を通過するというのが引き継ぎ委の構想だ。引き継ぎ委関係者は、「国民の不便を最小限に抑えるため、3~4つの多様な移動経路を総合的に検討している」とし、また別の引継ぎ委関係者は、米軍基地経由に向け「米軍との協議も完了した」と明らかにした。

 尹次期大統領が米軍の協力を得て、通勤途中に米軍基地を通過することになれば、今後の基地返還交渉に悪影響を及ぼすという懸念の声もあがっている。参与連帯平和軍縮センターのイ・テホ所長は同日、本紙との電話インタビューで「大統領が米軍の協力を受けて通勤途中に米軍基地を通過することになれば、汚染交渉や龍山基地の移転など様々な事案で有利でないことは明白だ」と述べた。

 尹次期大統領の妻、キム・ゴンヒ氏が官邸に使われる外交部長官公館を視察したことをめぐり、波紋が広がっている。共に民主党ソウル市長候補のキム・ジネ元議員はフェイスブックに、「キム・ゴンヒの官邸ショッピング、尹錫悦次期大統領によるキム・ゴンヒの願いを叶えるためのショー」だとし、「国防はバラバラになってどこに向かい、外交公館はどこへ行き、国政はどこへと流れるのか。情けない」と書いた。尹氏側は大統領官邸の変更は大統領府移転TFの決定によるもので、キム氏が「決定」したわけではないと釈明した。ペ・ヒョンジン次期大統領報道担当は同日の定例ブリーフィングで、「(キム氏は官邸が外交部長官公館に変更された)のちに訪問したのであって、先に行って決定し、(大統領府移転TFが)公館の変更において(キム氏の意見を)考慮したというのは誤報だ」と述べた。国民の力のホ・ウナ首席報道担当も論評で、「外交部公館を大統領官邸に暫定的に結論付けたのは、担当TFが移転費用や警護、交通など様々な要素を考慮した結果」とし、「大統領官邸を移転する上で、実際に居住する次期大統領の配偶者が有力に検討されている候補地を視察することが、一体何の問題があるのか」と反論した。

ソ・ヨンジ、パク・スジ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1040159.html韓国語原文入力:2022-04-2421:01
訳H.J

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