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韓国の4月1~20日の貿易収支、-52億ドル…原油価格高騰などで長期化懸念

登録:2022-04-22 02:24 修正:2022-04-22 08:49
釜山港の神仙台埠頭に輸出入貨物が積み置かれている/聯合ニュース

 原油価格の高止まりにより、貿易収支にも赤信号が灯っている。

 関税庁の21日の発表によると、4月1日から20日にかけての輸出額(362億8500万ドル)は昨年同月比で16.9%の増である一方、同期間の輸入額(414億8400万ドル)も25.5%と大幅に増加したことで、貿易収支(輸出額-輸入額)は51億9900万ドルの赤字となった。月間の貿易収支の流れを見ると、昨年12月(赤字規模4億5000万ドル)に20カ月ぶりに赤字に転じて以降、2月を除いて1、3月とも赤字だった。長期間続いた貿易黒字の流れが、ここ数カ月間は過去とは異なる様相を呈している。

 貿易赤字の流れは何よりもエネルギー価格の上昇の影響が大きいようだ。韓国はエネルギー輸入依存度が非常に高い経済構造を持っているため、エネルギー価格が高騰すると貿易黒字規模が減少するか赤字に転じる様相を呈してきた。国際原油価格が100ドルを超えた2008年も5月、10月、12月を除いてすべて赤字だった。

 具体的に見ると、今月初めから20日までの3大エネルギー源の輸入額は、原油が68億7500万ドル、天然ガスが19億1000万ドル、石炭が14億900万ドルで、計101億9400万ドル。昨年同期に比べて原油は82.6%、ガスは88.7%、石炭は150.1%の増加だ。産業通商資源部の関係者は本紙の電話取材に対し「同期間の輸入量の変化は大きくないが、価格上昇が輸入額増加の主な原因」と述べた。

 実際に石油公社のペトロネットの資料を見ると、輸入に占める比率の大きい原油であるドバイ原油の価格は、昨年4月には1バレル当たり平均62.9ドルだったが、今月は102ドルを上回っている。石炭価格もウクライナ事態以降、先月には1トン当たり400ドル(豪州ニューカッスル産)を上回り、今月は250ドルほどまで下がったものの、それでも昨年4月の2倍以上だ。天然ガスの価格(ヘンリーハブ)も同じ期間に2倍以上に値上がりしている。

 貿易赤字の圧力を高めるもう一つの要因は、次第に暗くなりつつある輸出見通しだ。まずウクライナ事態などの影響で、世界貿易の規模そのものが縮小しつつある。国際通貨基金(IMF)は最近発表した「世界経済見通し(WEO)」で、今年の世界の貿易規模の伸び率を昨年10月の見通し(6.7%)から大幅に下方修正して5.0%とした。新型コロナウイルスの拡散を防ぐための中国による上海封鎖措置も、韓国の輸出に否定的な影響を及ぼしている。実際に今月20日までの対中国輸出は、前年同期比で1.8%増にとどまっている。

 2月からウォン-ドル相場が1ドル=1200ウォンを上回っているが、このウォン安も輸出にはそれほど役立っていない。韓国の主力輸出品目が半導体などの高付加価値商品へと変化しているため、為替レートの変化による影響がかつてより小さくなっているのだ。韓国銀行の関係者は、「価格競争力で輸出していた時期はすでに過去のもの。(為替レートの変化が)輸出に及ぼす影響は大きく縮小した」と述べた。

 現代経済研究院のチュ・ウォン経済研究室長は、「ウクライナ事態などの影響で、4月はもちろん6月まで貿易収支の赤字が続き、年間貿易収支が赤字に転落する可能性さえ排除できない」と述べた。2000年以降、年間で貿易収支が赤字となったのは、世界金融危機の真っ只中だった2008年(133億ドルの赤字)が唯一だ。

イ・ジョンフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1039897.html韓国語原文入力:2022-04-21 17:17
訳D.K

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