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韓国検察、「尹錫悦の40年来の知己」の長官候補を捜査しない?できない?

登録:2022-04-19 03:39 修正:2022-04-19 07:52
次期保健福祉部長官に指名されたチョン・ホヨン氏が18日、ソウル西大門区の国民年金公団ソウル北部地域本部に設けられた同氏のオフィスに出勤している/聯合ニュース

 次期保健福祉部長官に指名されたチョン・ホヨン氏をめぐり、同氏の子どもの医学部編入学、兵役特恵などが浮かび上がっている中、検察や警察などの捜査機関がチョン候補に対する捜査を開始するかどうかに関心が集まっている。一部の市民団体は、20日にも公務執行妨害容疑でチョン氏を検察に告発することを予告している。

 18日の本紙の取材を総合すると、チョン氏が慶北大学病院の副院長、院長だった時代に、同氏の2人の子どもが慶北大学医学部に編入している。この過程で2人の子どもは、編入試験の前に慶北大学病院で患者移送などのボランティア活動を行っており、チョン氏の娘は、チョン氏と縁のある審査委員から一部の口述試験で満点を与えられている。チョン氏の息子は、2010年の兵役判定身体検査で2級現役判定を下されたものの、慶北大学病院が発行した診断書によって2015年に4級補充役判定を下されたという疑惑も提起されている。チョン氏は17日に記者会見を行い、自身に向けられた各種の疑惑について釈明したものの、批判は収まっていない。これに対し市民団体「司法正義確立市民行動」は、チョン氏を公務執行妨害容疑などで20日にもソウル中央地検に告発する予定だ。

 関心が集まっているのは、今後告発状を受け取った検察が尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領の「40年来の知己」であるチョン氏に対する強制捜査を開始できるかどうかという点だ。かつて検察は、チョ・グク元法務部長官が長官候補に指名された時、同氏の子どもの入試不正疑惑などについて大々的に家宅捜索を行っている。ソウル中央地検は2019年8月、チョ元長官の娘の入試特恵疑惑や家族の私募ファンド投資疑惑などに関する10通あまりの告発状を受け取り、同月27日に娘が通っていたソウル大学環境大学院、釜山大学医学専門大学院、高麗大学などを同時に家宅捜索している。元検事長のある弁護士は「検察が(チョン氏に関する件について)捜査を開始しないとしたら、チョ元長官の際とは異なる物差しを使っているとの批判を受けざるを得ない」と述べた。

 ただし、検察が告発状を受け取ったとしても、捜査が開始できるかどうかは意見が分かれる。慶北大学病院長は公職で、財産公開の対象者でもある。検察庁法は、検察が公職者の職権乱用などの犯罪を自ら捜査できるよう規定している。昨年実施された検察と警察の捜査権調整により、検察が自ら捜査できる犯罪は腐敗、経済、公職者、選挙、防衛事業、大規模惨事の6大犯罪に制限されている。問題は、チョン氏をめぐる疑惑が検察の捜査対象に当たるかどうかが不明確だという点にある。ある検察幹部は「チョン氏をめぐる疑惑が検察の捜査対象かどうか不明確であるか、主な容疑が直接捜査できる犯罪でないなら、検察は捜査せずに事件を警察に送るしかない」と述べた。ソウル地域の検察庁のある検事は、「検察が自ら捜査できる部分だけを切り離して捜査する可能性もある」と述べた。

 検察が今後チョン氏の捜査を開始すれば、検察捜査権の廃止が進められている中、これを打開するカードになり得るという分析も示されている。検察出身のある弁護士は、「検察が検察捜査権の完全剥奪に反対ばかりしていずに、チョン氏の疑惑の捜査を開始すれば、民主党も完全剥奪を主張しにくくなる。むしろ民主党の強硬支持層が完全剥奪を止めるだろう」と述べた。

カン・ジェグ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1039397.html韓国語原文入力:2022-04-18 17:10
訳D.K

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