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文大統領「日本は歴史を前にして謙虚であるべき…先進国としてのリーダーシップを」

登録:2022-03-02 04:23 修正:2022-03-02 07:22
文在寅大統領が1日、臨時政府記念館で開かれた三一節記念式で万歳三唱している=大統領府提供//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が任期最後の三一節(1919年3月1日、日本の植民地支配からの解放を願って広げた独立運動の記念日)記念演説で強調したのは「朝鮮半島の平和」だった。ロシアがウクライナに侵攻するなど「新冷戦」が始まったとの懸念が高まる中、国際秩序に振り回されないためには南北間の平和が切実に求められると訴えた。

 文大統領は1日、ソウル西大門区(ソデムング)の大韓民国臨時政府記念館で行われた三一節記念式で「3・1独立運動の精神が今日の我々に与える教訓は、大国中心の国際秩序に振り回されず、我々の歴史を我々が主導していく力を持たなければならないということ」とし「我々がより強くなるために必ず必要なものこそ朝鮮半島の平和」だと述べた。文大統領は特に現在の国際秩序について「力で覇権を握ろうとする自国中心主義が再び頭をもたげ、新冷戦の懸念も高まっている」と指摘した後、朝鮮半島の平和の意味を強調した。国際秩序に振り回されないためには力が必要であるとし、そのための「朝鮮半島が力を合わせた平和」を強調した。

 大統領府の高位関係者は「このところ世界で起こっていることを見ると、100年以上前に韓国が国権を失った時と似ていると見て、そうした愚を犯さないようにするためには3・1運動の精神による南北間協力が必要だということを述べたもの」と説明した。

 文大統領は朝鮮半島の平和に対する意志を強調しつつ、日本に対しては「先進国としてリーダーシップを持つことを心から願う」とし「そのために日本は歴史を直視し、歴史を前にして謙虚であるべきだ」と述べた。文大統領はまた「『一時不幸だった過去』のせいでしばしば悪化する隣国の国民の傷に共感する時、日本は信頼される国となるだろう」と述べた。日本が真の先進国となるには、歴史問題について真に和解しなければならないということを指摘したもの。この間の度重なる対話要請に応じていない日本政府に対する失望を示しつつ、遠まわしに目を覚ますよう求めたと解釈される。

 ただし文大統領は「韓日両国の協力は未来世代のための現世代の責務」だとし「韓国政府は、地域の平和と繁栄はもちろん、新型コロナウイルスや気候危機、そしてサプライチェーン危機や新たな経済秩序に至るまで、全世界的な課題に共に対応するため、常に対話の扉は開け放っておくだろう」と述べた。日本と歴史問題を論議する窓口は常に開かれているということだ。大統領府の別の関係者は「文大統領は最後まで演説原稿を何度も修正していた。特に韓日関係などの演説の後半部分に非常に苦心していた」と語った。

イ・ワン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/1033066.html韓国語原文入力:2022-03-01 17:45
訳D.K

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