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尿素水、ガソリンスタンド以外では販売禁止…韓国政府「調整命令」発動

登録:2021-11-12 02:30 修正:2021-11-12 07:51
中国発の尿素水不足が続いている8日午前、韓国の尿素水市場で50%を超えるシェアを持つロッテ精密化学の蔚山工場の尿素水生産ラインが止まっている=蔚山市提供//ハンギョレ新聞社

 今後、尿素水はガソリンスタンドでのみ販売でき、販売量は乗用車1台当たり最大10リットルに制限される。貨物・ワゴン車、建設機械、農業機械に使う場合は最大30リットルまで購入できる。環境部と産業通商資源部は11日、品薄状態が続いている尿素と尿素水の供給を安定させるため、「緊急需給調整措置」を制定し、直ちに実施すると発表した。政府は今回の緊急措置を12日から年末にかけて期限付きで実施し、必要なら延長する計画だ。

 緊急需給調整措置により、尿素水を輸入、生産、販売する業者は当日の生産量、輸入量、出庫量、在庫量、販売量などの情報を翌日正午までに環境部長官に届け出なければならない。届け出は自動車排気ガス総合電算システム(emissiongrade.mecar.or.kr)に業者が自ら入力する。

 緊急需給調整措置の実施と同時に環境部は、供給量と供給対象を指定する初の調整命令として、販売業者が納入できる販売先をガソリンスタンドに限定するよう命じた。大規模スーパーなどでの車両用尿素水の買い占め現象を防止するための措置だ。ただし、販売業者が販売店を経ずに特定の需要者(建設現場、大手運輸会社など)と直接供給契約を結んで販売する場合は、例外として認めることとした。

 調整命令は、ガソリンスタンドで車両1台当たりの購買できる尿素水の量も制限した。乗用車は最大10リットルまで、貨物・ワゴン車、建設機械、農業機械などは最大30リットルまで購入できる。ただし、販売店で車両に必要なだけ注入する場合は制限対象から除外される。車両用尿素水の購入者が第三者に転売することも禁止される。

 産業通商資源部は、尿素水の原料である尿素の供給を安定させるため「尿素緊急需給調整措置」を実施する。これにより、尿素の輸入販売業者は当日の輸入量、使用量、販売量、在庫量などを翌日正午までに産業部の素材部品需給対応支援センターに届け出なければならない。

 産業部のチュ・ヨンジュン産業政策室長は「環境部との緊密な情報共有および協力を通じ、届け出の内訳をもとにボトルネック現象が起きているところを把握するとともに、必要な措置を積極的に取ることで、現在の供給難に対応していきたい」と述べた。

 緊急需給調整措置に違反する行為に対して、政府は厳正に法を執行する計画だと発表した。物価安定に関する法律に則り、事業所の現状未申告などの緊急措置違反は、3年以下の懲役または1億ウォン(約965万円)以下の罰金に処せられうる。

 環境部のキム・ボプチョン気候炭素政策室長は、「今回の緊急需給調整措置を通じて尿素および尿素水が市場で円滑に流通し、国民生活に困難が生じないよう、関係省庁と協業して最善を尽くす。尿素水の輸入、生産、販売業者が尿素水の緊急需給調整措置を知らずに履行できなかったという事例がないよう、公文書、電子メール、現場点検団の派遣などを通じて細かく案内するなど、広報にも力を入れていきたい」と述べた。

キム・ジョンス先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/1018844.html韓国語原文入力:2021-11-11 08:08
訳D.K

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