韓米外相が「終戦宣言を含む朝鮮半島平和プロセスの早期再稼働案について真剣に協議した」と、韓国外交部が明らかにした。
チョン・ウィヨン外交部長官と米国のアントニー・ブリンケン国務長官は10月31日(現地時間)午前、イタリアのローマで開かれた主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)を契機に会い、30分間にわたり外相会談を行った。外交部によると、両国外相は韓米関係や朝鮮半島問題、新型コロナウイルス感染症への対応など、互いの関心事について意見を交わした。
今回の会談は、最近のジェイク・サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)の発言で、終戦宣言をめぐり韓米の間に意見の相違がある可能性がささやかれる中で実現しただけに、これに関するメッセージが発信されるかどうかに注目が集まっていたが、外交部がこの日発表した報道資料には、両国外相が終戦宣言などをめぐり「真剣な協議を行った」とだけ書かれた。サリバン補佐官は先月26日(現地時間)の定例記者会見で、終戦宣言に関する韓米の協議が「非常に生産的で建設的だ」としながらも、「他の措置のための正確な順序や時点、条件に対して多少違う観点もあり得る」と述べた。これに関し、外交部当局者は「(終戦宣言を)北朝鮮との対話再開のきっかけとして進めようという考えは双方が同じだ」とし、韓米の間に大きな意見の相違はないと説明した。外交部は両国外相が「朝鮮半島の状況の安定的管理の重要性に共感」したと付け加えた。
ネッド・プライス米国務省報道官は、同日の会談後に発表した報道資料で「(両国外相は)朝鮮半島の完全な非核化に対する両国の共通の約束を強調した」と明らかにした。朝鮮半島問題に関する唯一の言及であり、終戦宣言については直接触れなかった。プライス報道官は両国外相が「北東アジアとインド太平洋およびその向こうの平和、安保と繁栄の要(linchpin)」である「鉄のような(ironclad)韓米同盟を再確認」し、「気候変動とコロナ禍を含め、21世紀のグローバルな課題を解決するにあたって、両国の包括的パートナーシップの重要性について話し合った」と伝えた。
外交部も両国外相が「強固な韓米同盟が、北東アジアとインド太平洋地域の協力を超えてサプライチェーンや新型コロナへの対応など、世界的懸案の解決に向けた包括的グローバル同盟に発展していることを評価」する一方、「韓米両国が多様な契機に様々なレベルで活発に意思疎通を図ってきたことを評価し、今後も韓米間の緊密な協力を持続していくことにした」と明らかにした。韓米外相会談は10月5日にフランスのパリで開かれた経済協力開発機構(OECD)閣僚理事会の契機に略式で開かれて以来、約1カ月ぶりだ。
これに先立ち、チョン長官は29日(現地時間)夜には、中国の王毅国務委員兼外交部長ともローマで会い、終戦宣言など朝鮮半島情勢について協議した。
外交部は30日「朝鮮半島情勢に関する終戦宣言の問題を含め、朝鮮半島平和プロセスの早期再稼働に向けた協力策について、率直かつ深く意見を交わした」と明らかにした。中国外交部によると、王部長は「最近、朝鮮半島情勢に一連の新たな変化が現れている。中国は北朝鮮と南の関係改善と発展を支持し、朝米対話が適時に再開するものと楽観している」と述べたという。さらに「中国は南北双方が朝鮮半島の主として肯定的かつ主動的な役割を果たすべきだと一貫して主張してきた」とし、「中国は朝鮮半島問題の政治的解決を図るのに役立つあらゆる努力と提案を支持し、引き続き朝鮮半島と地域の平和と安定を維持するのに建設的な役割を果たす」と強調したと、中国外交部は発表した。外交部当局者は「中国は(終戦宣言を)良いアイデアだと考え、支持すると述べた」と伝えた。