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[社説]韓日首脳の「出遅れた」電話会談、両国の関係改善に向けた努力続けるべき

登録:2021-10-16 06:38 修正:2021-10-19 22:05
文在寅大統領(左)が今月15日午後、大統領府で日本の岸田文雄首相(右)と電話会談を行っている=大統領府提供//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領と日本の岸田文雄首相が15日午後、電話会談を行った。岸田首相が4日に就任して以来、11日目にして行われた韓日首脳間の初の意思疎通である。

 文大統領と岸田首相は、約30分間の電話会談で、両国間の懸案について話し合った。文大統領は岸田首相の就任を祝い「民主主義と市場経済という価値を共有する最も近い隣国として、両国間の協力をもっと強固にしなければならない」と述べた。岸田首相は「厳しい安保状況の下、日韓、日米間の協力が重要だ」としたうえで、「日韓両国を未来志向的な関係に発展させようという文大統領の言葉に共感する」と述べた。文大統領は強制動員問題について「両国が外交的解決策を模索するのが望ましいと考えている。外交当局間協議と意思疎通の速度を上げていきたい」とし、日本軍「慰安婦」問題については「被害者の方々の納得を得られたうえで、外交関係にも支障をきたさない解決策を模索することが何よりも重要だ」と強調した。岸田首相が電話会談後の会見で、強制動員と日本軍『慰安婦』問題訴訟に対し「韓国側に適切な対応を求めた」と述べたことから、「韓国が解決策を示すべき」という従来の立場を維持したものとみられる。

 岸田首相は就任後、米国、オーストラリア、ロシア、中国、インド、英国の順で電話首脳会談をしてから、同日、文大統領と会談を行った。31日の衆院選を控え、自民党の支持基盤である保守層に岸田首相が「韓国に弱腰にならない」ことを見せようとする意図的な行動だと、日本のマスコミは分析している。岸田首相が国内政治問題のためにこのような形で韓日関係の最初のボタンをかけたことは非常に残念だ。

 韓日関係は歴史問題と輸出規制をめぐって最悪の状態に悪化した。しかし、日本国内でも韓国に対する輸出規制のため、日本経済がさらに大きな被害を被ったという批判が高まっているにもかかわらず、日本の政治家たちが韓日関係改善を韓国に対する譲歩と見なし、「韓国が解決策を示すべき」という主張を繰り返していることは理解し難い。韓国も文大統領の任期があまり残っていないうえ、国民世論も日本に対する反感が強いことから、韓日関係の早期回復を期待することは難しい見込みだ。しかし、米中「新冷戦」と国際秩序の大転換、東アジアの緊張の高まりと軍拡競争の中で、両国の協力はいつになく切実だ。政府間の対立にもかかわらず、民間では互いに友好的な文化的関心が高まっている。急がなくても、これ以上の関係悪化を防ぎ、解決策を模索するための外交的努力を続けていかなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1015387.html韓国語原文入力:2021-10-15 22:16
訳H.J

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