「とんでもない話だ」、「私がそんなに怖いのか」、「国民があまり知らないところ(メディア)に(情報を)放り投げるな」
ユン・ソクヨル前検察総長が8日午後4時30分、国会疎通館を訪れ、本人が総長に在職していた時の検察が野党に与党陣営の要人の告発を教唆したという疑惑に対し、激昂した声で反ばくした。先に国民の力のキム・ウン議員が、候補時代に最高検察庁のソン・ジュンソン捜査情報政策官(当時)から告発状を受け取った可能性を残した記者会見を開いてから、7時間たった後だった。
ユン前総長は「選挙のたびにいつもこうした工作と扇動で選挙を行おうとしていいのか、情けなくて、今日皆さんの前に立った」と口火を切った。告発状伝達疑惑について「紙文書であれデジタル文書であれ、作成者や出所が確認されてこそ信憑性のある根拠として疑惑を提起し、問題視できるものだが、それが分からないから怪文書というのだ。このような怪文書で国民を混乱させている」と批判した。また「インターネットメディアが一度報道すれば、政党の前職・現職代表や議員、委員長といった人々が我先に騒ぎ立てる」とし、「私を国会に呼んでください。堂々と私も自分の立場を話します。こそこそと隠れて行うのではなく」と声を荒げた。
ユン前総長の怒りは、まだ確認・公開されていない情報提供者にも向かった。彼は「これをインターネットメディアに情報提供したという人、皆さんご存知でしょう?」と聞いた後、「その人の身元について、 その人がこれまで何をしてきたのか、汝矣島(ヨイド)で知らない人はいないし、私も耳にした。このように爆弾を投げて隠れるのではなく、堂々と出てきてデジタル文書の出所、作成者について正確に明かしてほしい」と述べた。
ユン前総長はまた、「6月か7月に出た私のXファイルというのも出所不明だったではないか、文書作成者が出てきたか?」「今、私の妻の株価操作疑惑というのが特捜部で1年6カ月間(捜査)されている」「警察庁に2013年の内偵捜査諜報報告書とかいうものが『ニュース打破』に流出し、一度公開されると大手メディアがこぞって報道した」など、過去自分を取り巻いた検証報道にも不快感を示した。ユン前総長はさらに「こうした政治工作(まで行うなんて)、私がそんなに怖いのか。私一人除去すれば政権を握ることができるのか。正々堂々とやってください」と声を高めた。
ユン前総長は15分間の記者会見を終え、移動する際も、激昂した声で「国民があまり知らないところ(メディア)に(情報を)放り投げず、もっと読者の多いところに行ったらどうだ。KBS(韓国放送)やMBC(文化放送)から始めるとか」と述べた。インターネットメディア「ニュースバース」が告発教唆の疑惑を最初に報じ、主要メディアがこぞってそれを取り上げている状況に不満を表したのだ。
ユン前総長は今月2日、告発教唆疑惑が初めて報じられた後、略式質疑応答で釈明したことはあるが、公式記者会見で反論に乗り出したのは今回が初めて。最近、野党の大統領選候補の支持率で、ホン・ジュンピョ議員と首位を争うなど本命論が揺らいでいる状況で、告発教唆疑惑が解消されなければ支持率下落の勢いが止まらないという判断から「登板」を決めたものとみられる。ユン・ソクヨル陣営の関係者は「今日の記者会見は突然決まったので、候補本人が決めたものと思われる」とし、「報道担当が(告発教唆疑惑に関する)論評を出したが、あまり効果がなかったから、本人の出番だと判断したようだ」と伝えた。