中国の王毅外交部長が「今の中国は100年前の中国ではない」と述べた。習近平国家主席が1日、中国共産党創党100周年記念式で述べた発言の延長線上にあるもので、西欧の反中国戦略に対抗し、攻勢的な対外政策を続ける考えを再度強調したものとみられる。王部長は北朝鮮の核問題と関連し、従来の段階的かつ同時的アプローチと双軌並行を強調し、朝米の速やかな対話再開を求めた。
4日、中国外務省が発表した資料の内容を総合すると、王部長は前日、清華大学と中国人民外交学会が共同主催した第9回世界平和フォーラムの基調演説で「中国は他国の内政に干渉したり、発展を妨害したことがない。他国が中国の内政に干渉したり、発展を妨げることも容認できない」としたうえで、「今の中国は100年前の中国ではなく、いかなる個人や勢力も国家の主権と安全保障、発展利益を守ろうとする中国人民の意志と能力を過小評価してはならない」と強調した。
中国の習近平国家主席は今月1日、「中華民族が支配され、いじめられる時代は終わった」とし、「中国をいじめ、抑圧し、奴隷化しようとするなら、14億人を超える中国人民が血と肉を築いた鋼鉄の万里の長城に頭をぶつけて血を流すことになるだろう」と述べている。
習主席は「米国」を直接取り上げなかったが、王部長はアフガニスタンからの撤退やイラン核問題をはじめとする各種懸案と関連し、米国を名指しで批判した。「米国はアフガ二スタン問題を触発させた当事者として、責任ある方法でアフガニスタンの状況が平和と安定に移行できるよう保障しなければならない」とし、「(米軍の撤退で)アフガニスタンで混乱や戦争が起きてはならない」と述べた。
また王部長は「米国が包括的なイラン核合意を一方的に破棄し、最大の圧力を加えたのが現在のイラン核危機の本質的な原因」だとしたうえで、「米国は今からでも過ちを正し、直ちに全面的な交渉に復帰すべきだ」と強調した。王部長は米国のインド太平洋戦略についても「集団対決を煽り、歴史を後退させる冷戦的思考」だとし、「冷戦的覇権を取り戻すという古い夢では、より良い世界を築けない」と批判した。
王部長は台湾問題について「台湾は切り離せない中国の一部であり、祖国の平和な統一を目指すのが中国の一貫した基本方針」だとし、「米国の一部で台湾独立・分裂勢力を絶えず督励し、煽るのは非常に間違っており、危険な行為」だと警告した。また香港についても「外部勢力と結託した一部の勢力が公然と『香港独立』を主張し、一国二制度を深刻に脅かしたことは黙過できない」と強調した。
王部長の“米国批判”は朝鮮半島問題に関しても登場した。「米国は数十年間続いた北朝鮮に対する軍事的脅威と圧迫に対して反省すると共に、北朝鮮の合理的懸念を直視し、それを解決しなければならない。米国は朝鮮半島の非核化と情勢緩和に関し、北朝鮮がすでに取った措置を踏まえ、誠意をもって対応しなければならない」とし、早期の朝米対話再開を促した。
また、王部長は「対話を通じた交渉と平和的解決という根本原則の下、段階的かつ同時的アプローチが不可欠であり、朝鮮半島の非核化と平和体制の構築が並行して行われるのが正しい道」だとしたうえで、「国連安全保障理事会も、対北朝鮮制裁決議の“可逆的条項”を早急に発動し、北朝鮮の経済と生活の改善を後押ししなければならない」と強調した。王部長は「朝鮮半島問題は中国の“玄関先”で起きており、中国は朝鮮半島で恒久的な安定が実現するまで建設的な役割を果たす」と述べた。