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「強制動員訴訟を遅延させた当事者が消滅時効過ぎたと主張するとは…」

登録:2021-06-28 02:14 修正:2021-06-28 07:02
裁判所=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 日帝強占期の強制動員被害者が日本企業を相手取って起こした損害賠償請求訴訟で、日本企業側が消滅時効および最近あった「却下」判決を盾とする訴訟戦略を取っていることに対して、被害者側が反発している。被害者側は、日本企業の代理人である金・張(キム&チャン)法律事務所がヤン・スンテ最高裁長官時代に強制動員訴訟を遅延させようとした疑惑の当事者であるということを指摘し、「消滅時効を主張とは破廉恥だ」と主張している。

 今月21日にソウル中央地裁民事68単独においてパク・ジンス部長判事の審理で行われた強制動員被害者による損害賠償請求訴訟の口頭弁論では、被害者と被告の日本製鉄が消滅時効が成立しているかどうかをめぐって対立した。民法では、被害者が不法行為による損害を知った日から3年が経過すれば権利は消滅すると規定されている。被害者たちは、2005年に提起された「日本製鉄損害賠償請求訴訟」の再上告審での確定判決となった「2018年10月30日」の最高裁全員合議体(全合)判決が時効の始点だと考えている。一方、日本製鉄は、全合判決以前に、最高裁が被害者勝訴の趣旨で破棄・差し戻した「2012年5月24日」を始点と見るべきだと主張している。この論理どおりなら、被害者の損害賠償請求権は2015年5月に消滅し、その後に多く提起された強制動員被害者の日本企業に対する損害賠償請求は認められないことになる。

 日本製鉄のこうした論理に対し、被害者側は「破廉恥だ」という反応を示している。日本製鉄の代理人を務める金・張法律事務所は、ヤン・スンテ最高裁長官時代に裁判所事務総局と共謀して強制動員訴訟を遅延させた疑惑が持たれているためだ。これは、ヤン前長官と金・張法律事務所所属のハン・サンホ弁護士が面会し、最高裁に上がってきた強制動員被害者再上告審事件を全合に付し「戦犯企業の被害者に対する賠償責任を認める」という従来の最高裁判決を覆すことを目指した「裁判取引」について論議した疑いが、検察の「司法壟断」捜査により持ち上がったもの。

 被害者代理人のイ・サンヒ弁護士(法務法人志向)は27日「被告代理人の金・張法律事務所と(ヤン・スンテ最高裁長官時代の)裁判所事務総局は、強制動員被害者たちの裁判の遅延を共謀した当事者であるのに、被告が(金・張法律事務所を前面に立てて)2012年を消滅時効の基準だと主張するのは信義則に反する」とし「裁判取引の当事者であるヤン前最高裁長官とイム・ジョンホン前裁判所事務総局次長が起訴された状態にあって、あのような論理を展開するのは破廉恥だ」と主張した。

 これ以外にも日本企業は最近、強制動員被害者85人が日本製鉄など16社を相手取って起こした損害賠償請求訴訟を、ソウル中央地裁民事34部(キム・ヤンホ裁判長)が「却下」した判決も、訴訟資料として積極的に活用している。18日にソウル中央地裁民事94単独のパク・セヨン判事の審理で開かれた裁判で、三菱重工業がその判決を参考資料として提出したのに続き、同日に日本製鉄も他の裁判で同判決を参考資料として提出している。この判決に対する上告審の結論が出るまで裁判を延期すべきだとの趣旨であり、残された時間の少ない高齢の被害者に圧力をかける戦略だという分析が示されている。

シン・ミンジョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1001055.html韓国語原文入力:2021-06-27 16:14
訳D.K

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