韓国で新型コロナウイルスの予防接種が始まって105日目の10日、1次接種者が累計で1000万人を超えた。防疫当局は、7月中旬からは感染者の発生が大きく減少するとみており、来週発表する「第3四半期接種計画」をまとめている。保健福祉部のカン・ドテ第2次官が、非対面のケア人材に対する優先接種を行うかどうかを検討すると言及したため、防疫当局の最終決定が注目される。
コロナ予防接種対応推進団は、暫定集計の結果、10日午後4時現在で予防接種を1回以上受けた人の数は1045万7888人と明らかにした。これは全国民の20%に当たる規模だ。4月末の時点では、国内の1次接種完了者数は336万人にとどまっていた。しかし先月27日に60歳以上の高齢者一般に対して順次大規模な接種が開始され、それから15日間で600万人が接種したことで、累計1000万人を超えた。10日から16日までは、米政府から供与を受けたジョンソン・エンド・ジョンソン社(同社の医薬品部門のヤンセンファーマ)製のワクチンの接種が軍関係の従事者、予備役、民防衛の隊員など89万人に対して実施される。また、事前予約が早期に締め切られたことで今も予約が取れていなかったり、リストから漏れたりしている30歳未満のエッセンシャルワーカー(社会必須人材)に対しては、28日午前0時から30日午後6時までオンライン事前予約の受け付けが再開される。彼らに対しては、7月5日から8月1日までファイザーのワクチンの接種が行われる予定だ。
アストラゼネカのワクチンの需給不均衡により、60~64歳の一部の予約者の6月中の接種が難しくなった場合は、必ず7月に接種を受けられるようにするという約束も提示された。推進団長のチョン・ウンギョン疾病管理庁長はこの日「7月中に必ず接種する予定なので、不安を抱かないよう接種日程を個別に案内する」とし「接種日程が調整された高齢層にどのワクチンを接種するかは、第3四半期のワクチン供給日程を考慮して決定する予定」と明らかにした。足りない量は単純計算で50万回規模だが、政府は最小残留型(LDS)注射器の使用などで不足分が減らせるとみている。
推進団は来週の第3四半期接種計画の発表を控え、接種の優先順位を検討している。第3四半期の優先順位1番目は、6月中に接種を受けられなかった60~74歳だ。6月から7月へと接種開始の時期が延期された幼稚園、保育所、小学校の教師らに対する接種も急ぐ予定だ。高校3年生と修学能力試験(全国一斉に行われる大学入試)を受ける浪人生は、7~8月の夏休み中に接種する。また、50代に対して優先接種を実施することはすでに決まっている。50代は慢性疾患が多く、60代に次いでコロナの重症率が高いためだ。
その他の特定集団などに対して第3四半期中に優先接種の日程を入れるかどうかは、まだ決まっていない。福祉部のカン・ドテ第2次官はこの日、「非対面のケアが必要不可欠な部分に優先接種を実施するかどうか、疾病庁が検討している」と述べたが、チョン・ウンギョン庁長は発言を控えた。チョン庁長は「年齢通りに接種するか、または優先接種対象者を別に決めるかなどは、必要性を検討し、予防接種専門委員会の検討・審議を経て発表する」と述べるにとどまった。
チョン・ウンギョン庁長はこの日、「上半期の接種目標である1300万人、全国民の25%以上に対する接種を終えるとともに、現在のような防疫守則を維持すれば、7月中旬からは感染者の発生がさらに大幅に減少するものと期待している」と述べた。ただし、変異ウイルスの流行が変数として残されている。チョン庁長は「英国では従来のアルファ株(英国変異株)に取ってかわりデルタ株(インド変異株)の流行が急速に増える様相を呈しており、国内でもデルタ株の拡散に対する注意が求められている」と述べた。