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サムスン電子、非メモリー半導体に10年間で17兆円投資

登録:2021-05-15 05:31 修正:2021-05-15 07:32
サムスン電子平沢工場の全景//ハンギョレ新聞社

 サムスン電子は13日、同社の平沢(ピョンテク)工場で行われた民官合同の「K-半導体ベルト戦略報告大会」で、2030年までに非メモリー半導体分野に対する投資を171兆ウォン(約16兆5000億円)に増やすと明らかにした。2019年4月の「非メモリー半導体ビジョン2030宣言式」の際に明らかにした従来の計画(133兆ウォン、約13兆円)より投資規模を38兆ウォン増やしたもの。サムスン電子は投資資金によって「先端ファウンドリ(委託生産)工程の研究開発と生産ライン建設に拍車がかかることになるだろう」と強調した。サムスン電子は今後、次世代DRAMに極紫外線(EUV)技術を他に先駆け適用していき、メモリーと非メモリー半導体を融合した「HBM-PIM」やDRAMの容量の限界を克服できる「CXL DRAM」など、未来のメモリー・ソリューション技術の開発に力を入れていくと述べた。

 サムスン電子のキム・ギナム副会長はこの日のイベントで「韓国が長く先頭を守ってきたメモリー分野でも追撃が激しい」とし、「守勢に努めるよりは、決して追い付くことのできない“超格差”を広げるために、サムスンが先制的な投資の先頭に立つ」と述べた。

 サムスン電子は、非メモリー半導体の環境の育成のために、ファブレス用IP(アプリケーションプロセッサ)の相互提供、試作品生産の支援、協力会社の技術教育などの様々な共存活動を拡大し、重要な素材、部品、装置のサプライチェーンの企業をはじめ、人材育成のために学界と協力を強化していくことにした。サムスン電子の説明によると、ファウンドリ分野は事業が大きくなればなるほど国内のファブレス(設計専門)企業の成長の可能性が高まり、多くのファブレスの創業がなされ、全般的な非メモリー半導体産業の技術力が一段階上がる付加効果を生みだすことが期待できる。

 SKハイニックスも投資拡大の意向を表明した。パク・ジョンホ代表取締役副会長はこの日、会場で「ファウンドリの生産能力を現在の2倍に拡大する案を検討している」と明らかにした。パク副会長は「国内の設備の増設、買収・合併(M&A)など様々な案を検討している」と述べた。

 半導体業界は、金融と税制の支援を含む政府の「K-半導体戦略」について歓迎の意向を表明した。サムスン電子の関係者は「グロ―バル半導体企業の競争が激しくなる状況で、官民がパートナーとして共同対応するきっかけを作った」とし、「様々な分野に対する対策を包括し、競争力強化への実質的な助けになるだろう」と期待した。SKハイニックスの関係者は「当社は8インチのファウンドリ事業に投資し、国内のファブレス(非メモリー半導体設計企業)には、開発・量産はもちろん、グローバル市場への進出を支援する」とし、「グローバル企業は、モバイル、家電、車などの半導体製品の供給範囲を広げることができるだろう」と述べた。

キム・ヨンベ先任記者、ソン・ダムン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/995070.html韓国語原文入力:2021-05-14 02:44
訳M.S

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