本文に移動

「中国牽制」目指すインド太平洋協力、欧州へと拡大

登録:2021-04-06 00:08 修正:2021-04-06 06:58
米国のジョー・バイデン大統領(左)が先月12日(現地時間)、ホワイトハウスで「クアッド首脳テレビ会議」に参加している。スクリーン左から日本の菅義偉首相、インドのナレンドラ・モディ首相、オーストラリアのスコット・モリソン首相=ワシントン/AFP・聯合ニュース

 米国、日本、オーストラリア、インドが参加する非公式戦略フォーラム「4カ国安保対話(クアッド)」とフランスが共同海上訓練に入った。クアッドを通じて中国に向けた多国間安保同盟の構築を目指す米国の構想に弾みがつくかどうかに注目が集まっている。

 「ヒンズスタン・タイムズ」の5日付報道などを総合すると、クアッド4カ国は同日から7日までの3日間、インドのベンガル湾一帯でフランスの主導で行われる「ラ・ペルーズ」共同海上訓練を行う。インド駐在のフランス大使館は「価値観を共有する5カ国の海軍が自由で開かれたインド太平洋一帯で海上協力を促す機会になるだろう」と述べた。

 ラ・ペルーズ訓練は2019年に続き2回目だが、インドが参加するのは今回が初めて。クアッド4カ国が共に参加した共同海上訓練は昨年11月、インド洋一帯で行われたマルラパル訓練に続き、今回が2回目だ。

 クアッドに参加していないフランスが4カ国と共同訓練に乗り出したことで、クアッド拡大を念頭に置いた、いわゆる「クアッドプラス」の形が整ったといえる。特に同訓練は「危機状況に備えた相互運用能力の強化」を目標に掲げ、中国に狙いを定めたことを露わにした。

 実際、今回の訓練に先立ち、クアッド4カ国は先月末、インド太平洋一帯で集中的に共同訓練を行ってきた。インド海軍は先月28~29日、インド洋東部一帯で米海軍セオドア・ルーズベルト空母が参加した両国共同訓練を行った。また、南シナ海ではオーストラリアと日本(3月29~31日)が、東シナ海では米国と日本(3月29日)が、それぞれ共同訓練を実施した。

 今回の訓練は、ASEAN(東南アジア諸国連合)をはじめ、中国と領有権争いをしている同地域のほかの諸国を説得するためのものという分析もある。「サウスチャイナ・モーニングポスト」は軍事専門家の話として、「ベトナムやフィリピン、マレーシアなど南シナ海で中国と領有権争いを繰り広げている国々は、潜在的な『クアッドプラス』の協力国」だとし、「これら国はクアッドに直接参加して中国と正面から対立する形は避けるだろうが、クアッド参加国と二国間レベルならいくらでも(協力する)可能性がある」と指摘した。

 ドイツや英国などほかの欧州諸国が、フランス同様の行動を取る可能性もあるとみられている。これと関連し、読売新聞は5日付で、ドイツと日本が今月16日ごろ、テレビ電話で外交・防衛担当閣僚が出席する「2プラス2」を開くことにしたと報じた。ドイツと日本の「2プラス2」は今回が初めてで、中国を牽制する「自由で開かれたインド太平洋」の実現と安保分野における協力案が話し合われる予定だという。欧州最大の経済大国ドイツは中国依存度を下げるため、韓国、日本、ASEAN諸国との安保、経済協力を強化する「インド太平洋戦略」を盛り込んだ政策ガイドラインを昨年9月に採択した。日本はドイツとの協力を拡大し、欧州連合(EU)の中で「インド太平洋」地域への関与を強化する流れを作ることを目指している。

北京/チョン・インファン特派員、キム・ソヨン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/989721.html韓国語原文入力:2021-04-05 17:28
訳H.J

関連記事