本文に移動

共同報道文なしで幕下ろした米中会談…中国「成果あった」高い評価

登録:2021-03-23 03:16 修正:2021-03-23 08:35
18日(現地時間)、米アラスカ州アンカレッジで米中の閣僚級会談が開かれている。中国側からは楊潔チ共産党外交担当政治局員(左から2人目)と王毅外交担当国務委員兼外交部長が出席。米国側からはアントニー・ブリンケン国務長官(右から2人目)とジェイク・サリバン国家安保担当大統領補佐官が対座した=アンカレッジ/AFP・聯合ニュース

 18日から19日にかけて、米アラスカ州アンカレッジで開かれた米中外交トップ会談は、共同報道文すらなく幕を下ろしたものの、中国側からは「成果があった」という肯定的な評価が出ている。

 21日のロイター通信などの外国メディアの報道を総合すると、米中双方は冷え切ったムードを反映するかのように、会談直後に別々に記者団の取材に応じ「率直かつ直接的な対話」だったとの評価を示した。18日の初会談の冒頭発言から激しく対立した両者は、3度にわたる会談で、率直な意見衝突を続けたものとみられる。

 「サウスチャイナ・モーニングポスト」は専門家の言葉を引用し「米中会談で見せた不協和音の水準は予想を超えるものだった」とし「冷戦初期の米国とソ連の会談を連想させた」と報じた。同紙は続いて「米中が正面衝突する場面をそのまま外部に公開したのは意図があるはず」とし「特に米国の攻勢的な態度は、同盟国や友好国などの『外部の聴衆』を念頭に置いたものとみられる」と指摘した。

 一方、中国では、楊潔チ外交担当政治局長と王毅外交部長が、米国側に押されることなく正面から受けて立つ姿勢を示したこと自体を歓迎する雰囲気だ。中国側の強硬対応は「内部の聴衆」を念頭に置いた行動だった可能性があるということだ。今回の会談について「米中の公開の場での対決」であるため、「歴史的な一里塚となるだろう」との主張が出ているのも、こうした脈絡からだ。

 官営「経済日報」は人民大学国際関係学院の刁大明(Diao Daming)教授の言葉を引用し、「中国は会談を通じて、米国的価値が国際的価値ではなく、米国の言うことが国際的世論ではなく、米国などの少数の国が作った規則が国際社会の規則ではないということを悟らせた」と報じた。

 会談の「成果」についての評価も高い。官営「グローバル・タイムズ」は20日の社説で「戦略対話の目的は、相互理解を増進し、戦略的に誤った判断を避けられるようにすること」だとし「こうした側面において、今回の会談は期待以上の成果を収めた」と主張した。

 同紙は「以前の米国の言動と今回の会談で示した態度からみると、米国は覇権維持のために可能なあらゆる手段を動員するだろう」とし「中国は会談を通じて、ドナルド・トランプ政権の対中国政策がジョー・バイデン政権でも維持されるだろうということを悟った」と報じた。

 また「米国も、中国が脅迫を恐れず、主権と最重要の利益を守っていくであろうことを悟ったはず」とし「特に、中国は米国の内政干渉を望んでおらず、これに関してはいかなる交渉も不可能だということを知ったはずだ」と主張した。

 実際に中国外交部は、会談終了後に発表した資料で「中国の特色ある社会主義制度は、中国内部の状況に最もよく適合するもので、中国発展の『パスワード』のようなもの」とし「いかなる個人も国家も、中国人民がより良い生活をする権利を侵害することはできない」と繰り返し強調した。

北京/チョン・インファン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/china/987626.html韓国語原文入力:2021-03-21 16:55
訳D.K

関連記事