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ソウル市のソ・ジョンヒョプ市長権限代行は4日午後、オンライン緊急ブリーフィングを行い、5日からソウル市内の商店、読書室、スーパーなどの午後9時以降の営業を禁止すると発表した/聯合ニュース

　「5日から夜9時以降、ソウルを止めます。街の灯を消します」

　4日、新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が約9カ月ぶりに600人を上回ると、ソウル市は夜9時以降公共交通機関の運行を30％減らすとともに、300平米以上の商店とスーパーの営業を中止するなどの防疫措置を発表した。政府は6日ごろに、中央災害安全対策本部(中対本)会議で、7日に終了予定の首都圏の「レベル2+α」社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)の延長もしくは上方修正の有無を決定するものとみられる。

　ソウル市のソ・ジョンヒョプ市長権限代行は、この日のオンライン・ブリーフィングを通じて、大衆利用施設の運営の中止、公共交通機関の運行の削減などを骨子とする「ソーシャル・ディスタンシング非常措置」を発表した。まず、先月24日から夜9時以降の運行量を20％削減している公共交通機関は、削減量を30％にまで拡大する。バスは5日から、地下鉄は8日からとなる。

　夜9時以降の営業が禁止される大衆利用施設の範囲も拡大される。従来の飲食店、カフェ、カラオケボックスに加え、映画館、ネットカフェ、ゲームセンター、塾・予備校(教習所含む)、職業訓練機関、美容室、300平米以上の商店、スーパー、デパートは、夜9時以降の営業が禁止される。ただし、市民が生活必需品を購入できるよう、300平米未満の小規模スーパーの営業は認められる。飲食店のテイクアウトや配達も以前のように夜9時以降も認められる。また体育施設、博物館、美術館、図書館などの文化施設と、高齢者関連福祉施設などの公共施設1284カ所の運営も全面的に中止となる。スーパーやデパート内の文化センターや子どもの遊び場、屋内のスタンディング形式のライブハウスも同様。7日からソウル市、自治区、市の投資支援機関の公務員、職員は、半数が在宅勤務に入り、時差通勤制も実施される。

　今回の非常措置は、今後2週間にわたり実施される。ソウル市が緊急処方箋を出したのは、中対本が今月1日に首都圏のソーシャル・ディスタンシングを「レベル2+α」へと引き上げたにもかかわらず、拡散傾向に歯止めがかからないためだ。この日のコロナ新規感染者数は629人で、2～3月の大邱(テグ)・慶尚北道地域を中心とした第1波以降の最多規模となった。特に、国内で発生した新規感染者600人のうち、291人がソウルから出ている。ソウル市は、2週間後に1日の平均新規感染者数を100人未満とすることを目標としている。

　中央事故収拾本部(中収本)のユン・テホ防疫総括班長はこの日の定例ブリーフィングで「(新規感染者の増加傾向が)簡単には下火になりそうにないと判断している」とし「こうした傾向が続けば、来週月曜日に終了する『レベル2+α』の(延長または)引き上げを含め、今後のレベルをどうするか、7日までには発表する予定」と述べた。中収本は、11月24日に始まったレベル2の効果が週末から現れると見られるとし、拡散傾向をもう少し見守るという立場だ。統計庁が提供した携帯電話の移動量資料に基づいた分析結果によると、1日の首都圏の移動量は1601万9000件で、1週間前の先月24日に比べ6.1％(104万2000件)の減少。2週間前の先月17日(1845万4000件)に比べると13.2％の減少だ。

　中対本はこの日、7日から来年1月3日までを「年末年始特別防疫期間」と定め、年末年始の会合や行事の自制を勧告するとともに、活動事例ごとに防疫守則を策定する計画だと明かした。職場の親睦会や行事は、オンライン上でのメッセージやプレゼントのやり取りなどで簡素化し、祭や行事も非対面で開催するよう勧告することにした。対面による祭を開催する場合は、事前予約制、移動型の会場観覧、イベント立入人員の管理方策を用意することを誘導する。また冬場に人が集まるスキー場、雪そり場、スケートリンクなども一般管理施設に指定することにした。

　防疫当局や感染症の専門家は、拡散傾向を抑えることができなければ、新規感染者数が1000人台となりうると懸念している。屋内活動や会合の多い冬の特性に加え、大規模な人数が密集する大学修学能力試験(修能、大学入学一斉試験)後の感染の広がりにも神経を尖らせている。高麗大学安山病院のチェ・ウォンソク教授(感染内科)は「(ソウル市の追加対策は)中央政府が提示したものより高水準の措置」と評価しつつも「活動範囲をさらに狭めてはいるが、市民が積極的に接触を減らさなければ効果は期待できない」と述べた。