本文に移動

世界最大の大陸間弾道ミサイル…北朝鮮、軍事パレードで新戦略兵器の威力を誇示

登録:2020-10-12 06:15 修正:2020-10-12 16:34
北朝鮮の新型ICBMと火星-15型との比較(左)と、新型SLBM「北極星-4型」と「北極星‐3型」の比較(右)=資料:朝鮮中央TV、38ノース、カバート・ショアーズ、軍関係者総合//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮は10日、労働党創建75周年記念軍事パレードで、大陸間弾道ミサイル(ICBM)と潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の2種類の新しい戦略兵器を披露した。北朝鮮が軍事パレードで戦略兵器を披露したのは、2018年2月の建軍節70周年記念軍事パレードで「火星-12型」中距離弾道ミサイル(IRBM)や「火星-14型」・「火星-15型」大陸間弾道ミサイルなど「戦略兵器3種セット」を披露して以来、2年8カ月ぶりのことだ。

■火星-15型よりさらに大きい大陸間弾道ミサイル

 同日公開された大陸間弾道ミサイルは、車輪が11軸22輪(車輪11組)の移動式発射車両(TEL)に搭載されて登場した。従来の「火星-15型」の移動式発射車両は9軸18輪だった。車輪が2組増え、その分大きくなった。

 北朝鮮は同日、新型大陸間弾道ミサイルの名前や性能の特徴などについて全く言及しなかったが、専門家らは火星-15型から進化した「火星-16型」である可能性が高いとみている。ミサイル専門家のバン・バンディファン氏とマイケル・エラーマン氏は北朝鮮専門サイト「38ノース」に「長さ25~26メートル、直径2.5~2.9メートルで、従来の火星-15型より長さは4~4.5メートル、直径は0.5メートル長いとみられる」と明らかにした。

 この新型ミサイルの1段ロケットにはロシアの「RD-250」系列のエンジン4基が使われたと分析された。火星-15型が1段ロケットにRD-250系列のエンジン2基を使用したのに比べると、エンジンは2倍程度大きくなったことになる。2段ロケットにどのような形のエンジンが使われたかは不明だ。しかし、1段目のロケットの特性に基づいて分析すると、新型ミサイルは火星-15型(弾頭の重さ1トン)よりはるかに重い2~3.5トンの弾頭を米大陸全域に届けるものと推定される。しかし、この新型ミサイルは一度も発射されたことがないため、直ちに実戦に配置できるかは不透明だ。

 この新型ミサイルは移動型弾道ミサイルとしては世界最大規模だ。実際、軍事的効用よりも誇示用の目的があるのではないかという分析もある。しかし、米国のミサイル防衛網を回避するための多弾頭(MIRVs)ミサイルを開発するために、規模を大きくした可能性があるとみられる。

新型SLBM「北極星-4型」 
映像だけでは諸元が分かりにくい 
「北極星-3型」と同じ大きさと推定 
射程距離を増やす目的で開発されたもよう

■新型潜水艦発射弾道ミサイル「北極星-4型」

 同日の軍事パレードでは、胴体に「北極星-4型」という文字が書かれた新型潜水艦発射弾道ミサイルも登場した。北朝鮮の「北極星」系列ミサイル開発はよく知られている事実だ。北朝鮮は当初、潜水艦発射弾道ミサイル「北極星」を開発したのに続き、これを地上発射用に変形させた「北極星-2型」を開発した後、昨年10月には潜水艦発射用の「北極星‐3型」を発射した。しかし、北極星-4型については何も知られていない。

 ミサイル専門家のバンディファン氏は、北朝鮮が公開した映像だけでは北極星-4型の諸元を知ることが難しいと評価を留保した。しかし一部では、北極星-1型より直径が2~3倍大きくなり、北極星-3型よりも直径が太くなったものと見ている。一方、潜水艦専門ウェブサイト「カバート・ショアーズ」(Covert Shore)を運営するHIサットンは、北極星-4型の大きさが北極星-3型(KN-26)に類似していると分析した。

 北極星-4型は射程距離を伸ばす目的で開発されたものとみられる。北極星-3型は昨年の発射で頂点高度910キロメートル、飛行距離450キロメートルを記録し、正常な角度で打ち上げれば射程距離が1900キロメートル以上になると推定されている。ミサイルの射程が延びれば、北朝鮮の潜水艦は安全な海岸近くから遠く離れた軍事的ターゲットに打撃を与えられるようになる。韓国国防部は今回の軍事パレードについて「新たに公開された武器体系について韓米情報当局が精密に分析中」と述べた。

パク・ビョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/965342.html韓国語原文入力:2020-10-12 02:00
訳H.J

関連記事