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[インタビュー]カミングス教授「文大統領、北朝鮮に持続的に関与することが重要」

登録:2020-06-26 10:05 修正:2020-06-29 09:28
ブルース・カミングス米シカゴ大学教授=キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社

ブルース・カミングス教授はどんな人物か

 米シカゴ大学のブルース・カミングス教授(77)は、『朝鮮戦争の起源1・2』(1981年、1990年)という記念碑的著書で、朝鮮戦争研究に新たな見解を提示し、学界に波紋を投げかけた。彼は、朝鮮戦争における旧ソ連の責任を中心としたこれまでの伝統主義アプローチを拒否し、1945年の解放後続いた朝鮮半島の左右内戦が朝鮮戦争につながったという分析を示した。また、そうなった主な原因を親日派の起用など米国の責任に求めるのが彼の見解だ。1990年代の旧ソ連の機密文書が公開されて、「金日成(キム・イルソン)主席がスターリンの承認を受けており、北朝鮮が韓国を侵略した」事実が明らかになり、カミングス教授の修正主義に対する批判も強まった。しかし、カミングス教授は「1950年6月25日に誰が先に引き金を引いたかよりも、いかなる脈絡で戦争が起きたのかを理解すべき」という所信を貫いている。

 カミングス教授は1967~68年、平和奉仕団として韓国の善隣中学校で英語を教え、韓国との縁を持った。同僚であり教え子である韓国系米国人のウ・ジョンウン博士と結婚した。『現代朝鮮の歴史』や『朝鮮戦争論-忘れられたジェノサイド』などの著書がある。彼は今回のインタビューのために連絡を取り合う際にも「学生90人が受講する今学期の二つの講座が終盤を迎えた」と言うなど、旺盛に活動している。

 米シカゴ大学のブルース・カミングス教授(77)が24日(現地時間)、「文在寅(ムン・ジェイン)大統領は金大中(キム・デジュン)・盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領を越えて、北朝鮮に最も多く関与(engage)した」とし、「文大統領が北朝鮮に引き続き関与することが非常に重要だ」と述べた。

 カミングス教授は1981年に発表した著書『朝鮮戦争の起源』で有名な朝鮮半島専門家であり、朝鮮戦争勃発70周年を迎えハンギョレと行った書面インタビューで、文在寅政府の対北朝鮮政策をこのように評価した。

 カミングス教授は、北朝鮮が最近、開城(ケソン)南北共同連絡事務所爆破など南北間の緊張を高めたことについて、「米国にシグナルを送り、ドナルド・トランプ政府の関心を引くため」とし、「北朝鮮は文在寅大統領を非難しているが、依然として文大統領をともに問題を解決できる人だと見ている」と指摘した。また、北朝鮮に「最大限の圧力」を加えるべきだという一部の主張を強い口調で批判した。これについて、「最大限の圧力が北朝鮮の行動に肯定的な変化をもたらしたという証拠は見られない」とし、「最大減の圧力の論理的帰結は戦争だ。朝鮮戦争は国家的分断に対する軍事的解決策はないことを示した」と強調した。

 カミングス教授は北朝鮮の核問題について、「北朝鮮の核開発プログラムを現在のレベルで封印する(cap)のが最善の解決策だ」という見解も明らかにした。さらに、「北朝鮮が事実上、核保有国という点を考慮すると、北朝鮮の核開発プログラムを全部除去しようとして失敗するよりは、その制限に向けて努力するのが韓米にとって最善の解決策」だと説明した。さらに「最終的かつ完全に検証された非核化(FFVD)という米国の要求は、これまで進展をもたらしていない」とし、「したがって、新たな方向が必要だ」と付け加えた。

「最終的かつ完全に検証された非核化」では前進できない…北朝鮮核問題、現在レベルでの封印が最善

 ハンギョレ「25日は朝鮮戦争勃発70周年だ。朝鮮半島の分断はまだ解決していない。韓国と北朝鮮はまだ終戦ではなく休戦状態だ。この長い分断とは何を意味するのか。この長い分断の主な理由は何だと思うか」

 カミングス「朝鮮半島の人々にとって、この長い分断は、心無い決定がいかに長い歴史を有する国を二分し、終わりが見えないまま2世代以上続いてきたのかを示している。心無い決定とは、1945年8月10~11日の真夜中にジョン・マッコイ当時米戦争部次官がディーン・ラスク大佐とその同僚に、隣の部屋に行って朝鮮半島の人々はもちろん、どんな同盟とも相談せずに朝鮮半島を分割する場所を探すよう指示したことで起きた結果を指す。これは、朝鮮半島の人々が自国の運命を自ら決められなかったことに伴う取り返しのつかない結果であり、南北朝鮮は朝鮮半島に住む人々のものであるという古い歴史的真実に対する裏切りでもあった。

 この決定は朝鮮半島に住む人たちの間で内戦の条件を作り上げたが、これは1945年以降ほぼ避けられないことだった。同族同士の殺し合いが、いきなり現実味を帯びてきて、その可能性が高くなったという意味だ。その後、米国が1950年代に朝鮮戦争に介入した際、我々(米国人)は戦争に介入するのは容易でもそこから抜け出すのはどれほど大変かを痛感させられた。この点で、南北と米国は共に歴史の拘束服を着せられた。この長い分断には様々な理由があるが、米国人として私は、何も知らない国に攻め込んだ米国の指導者たちに責任があると思う。その点で朝鮮戦争はその後、ベトナムやアフガニスタン、イラクなどすべての『終わりなき戦争』(ベトナムでの敗北は除く)のパターンを作り出した。これらの戦争は、自分が保護しようとする人たちとその文化について知らなければ勝てないことを如実に示している。これらの戦争は根本的に政治的なものだが、米国は、『戦争とは他の手段をもってする政治の継続にほかならない』というクラウゼビッツの命題を無視してきた」

 ハンギョレ「朝鮮戦争に関するあなたの記念碑的著述である『朝鮮戦争の起源』が1981年に発表されてから39年が経った。 あなたはその本で朝鮮戦争の構造的背景を掘り下げ、『朝鮮戦争は国際勢力が介入した内戦であり、朝鮮戦争に至る過程で米国の責任は非常に大きい』と著した。その分析は今でも有効か」

 カミングス「その本を書いた当時よりも、私の結論が妥当であると、さらに確信を持っている。その理由は大きく分けて二つだ。第一に、韓国と米国の学者たちが、1945年に登場した人民委員会(解放直後、全国的に組織された民間自治機構)の歴史を具体化した。学者たちは研究を通じて、米国の後援と支持の下で浮上した親日賦役者政権がどれだけ根強く生き残ってきたのかを示してくれた。また、朝鮮戦争期間とその前に起こった数十万人の政治的虐殺という信じがたいテロ、そして北朝鮮の人々に動機を与えた構造的独立性と民族主義の根強さも明らかにした。これに関しては、ファン・スギョンの優れた研究書「Korea's Grievous War(韓国の痛ましい戦争)とチャールズ・アームストロング(元コロンビア大学歴史学科教授)やクォン・ホンイク(英ケンブリッジ大学教授)などの素晴らしい本も言及したい。

 もう一つの理由は、ベルリンの壁が崩壊し、ソ連が崩壊したにもかかわらず、北朝鮮は長い間生き延びてきたという非常に奥深い事実だ。北朝鮮も崩壊したなら、私の本が間違っていたことになるだろう。しかし、北朝鮮は崩壊しなかった。これは、革命的民族主義と反帝国主義の力が北朝鮮を支える主軸になっていることを示している。これはもちろん、偶然にも現在残っている共産国家の中国やベトナム、キューバにとっても同じだ。北朝鮮はソ連が作り出したものではなく、第2次世界大戦後に行われた東アジア革命の一部だった」

 ハンギョレ「もはや韓国民の大半は、朝鮮戦争以降に生まれた世代であり、戦争についてよく知らない。朝鮮戦争は朝鮮半島にどのような遺産を残したのか」

 カミングス「戦争がまだ終わっていないため、その遺産とは何かについて最終的な結論を下すことはできない。しかし、韓国は明らかに防衛条約と、当時としては世界で最も高いレベルの援助(人口一人当たり)など、米国の完全なる支援を得た。その後、米国は韓国の商品に米国市場を開放し、韓国の安価な労働力の利点を取り、韓国の輸出主導型開発を後押しするためにあらゆる支援策をとった。韓国は米国に安全を保障してもらい、主な産業国家に生まれ変わったため、振り返ってみればこれは勝利戦略と判明した。

 北朝鮮にとって戦争は完全な災いだった。米国の爆撃が北朝鮮の領土のすべての都市を破壊したため、北朝鮮ではまだ米国に対する国民的恨みが非常に強いだけでなく、自国民数百万人が犠牲になったにもかかわらず、北朝鮮の観点からすると、戦争目的も達成できなかった。特定しがたい様々な理由で、北朝鮮指導部はその結果、精神的に大きな衝撃を受け、国境外の誰も信じられず、隠遁状態になった」

1951年6月9日、米軍31連隊戦闘団に所属した米軍一等兵が無反動砲を発射している/AFP・聯合ニュース

韓国は民主化を成し遂げた世界のモデル

 ハンギョレ「朝鮮戦争後の韓国と北朝鮮の核心的な変化を挙げるとすれば?」

 カミングス「韓国は第一共和国(1948年の政府樹立から1960年の4.19革命までの李承晩政権下の共和憲政体制)当時、民主的な形にもかかわらず独裁し、それは1990年代まで続いた。韓国軍は戦争によって強化され、その後、1961年(朴正煕(パク・チョンヒ)の)政権奪取でその力を誇示した。韓国人の偉大な業績の一つは、長い抵抗と流血事態を経験したが、結局軍隊を政治から追い出し、部隊に戻したことだ。

 北朝鮮政権は、戦前は根本的に左派連合だったが、戦後に金日成はライバルを戦争の結果に対するスケープゴートにして体系的に粛清した。10年も経たないうちに金日成とその側近たちが北朝鮮の政治を掌握し、今日までもそうだ。根本的に民族主義的で理想的な哲学の主体思想の出現は、朝鮮の性理学(儒学の一学説)の遺産を反映し、北朝鮮の支配的理念になった。北朝鮮指導部は、依然としてその家族と主要な抗日ゲリラの子孫以外は信頼していないようだ。北朝鮮の指導体制は外国との信頼関係がなく、指導体制と住民の間でもあまり信頼がない」

 ハンギョレ「韓国は第2次世界大戦後、産業化と民主化を成し遂げた数少ない国として知られる」

 カミングス「台湾など含め、韓国のような事例がある。私が言いたいのは、韓国の産業力量も誇りに思うべきだが、長い過程にわたる民主化の方が遥かに尊敬に値するという点だ。米国の評論家たちは、韓国が中間層を作るとともに民主化も成し遂げたことについて驚いている。実際、韓国人は軍事独裁の持続を防ぐ市民社会と政府形態を作るため、勇気と献身で40年間戦ってきた。21世紀に韓国のキャンドル行進は(盧武鉉)大統領を誕生させ、別の大統領(朴槿恵)を弾劾した。私は2002年の大統領選挙と2016年の弾劾の際、いずれもろうそく行進に参加した。そして、民主主義に対する熱い意志の中で見せた非暴力に深い感銘を受けた。韓国は独裁から脱し、民主化を成し遂げた模範だと思う」

 ハンギョレ「朝鮮戦争の時と比べて、韓国の国としての力をどのように評価するか」

 カミングス「比較できない。朝鮮戦争当時は、人口の大半が貧困で文盲だった。米国が介入しなければ、朝鮮戦争は数週間以内に終わっていただろう。そうなっていたら、韓国は憤慨した大衆を力でねじ伏せる残忍な独裁政権のもとにいただろう。現在韓国は世界で教育率が最も高い国の一つで、おそらくコンピューターシステムが最もよく整っている国であり、新型コロナウイルス感染症への対応で世界の尊敬を受けた。そして韓国はアップルや他の世界有数の企業と直接競争する世界的水準の大手企業、サムスンを有している。これらはすべてを可能にした一つの推進力を挙げることは非常に難しいが、韓国で数世紀続いた国民的教育熱を主な要因に挙げることができる」

金大中元大統領の平和プロセス、ブッシュ元大統領が台無しにしたが…文大統領、北朝鮮に最も多く関与

 ハンギョレ「あなたは朝鮮戦争勃発60周年の2010年にもハンギョレのインタビューに応じたが、10年前に比べ、朝鮮半島で最も大きな変化は何だと思うか」

 カミングス「この質問はとても興味深い。なぜなら私の本『現代朝鮮の歴史』を1997年に出版した後、多くの変化が生じ、2006に改訂版を発表したからだ。ところが最近、改訂版をまた出すべきか自問してみたが、答えは『ノー』だった。金大中・盧武鉉元大統領から文在寅大統領まで多くの連続性がある。我々は金大中・盧武鉉元大統領が在任していた10年間同様、再び南北関係を進展させようとする文在寅大統領の時代を生きている。3人の大統領のうち、文大統領は北朝鮮への関与の面で、最も多くのことを行ってきた。ある時はトランプ大統領がこの関与を促しているようにも見えたが、今はそれをあきらめたようだ。また、北朝鮮にも金正日(キム・ジョンイル)総書記から金正恩(キム・ジョンウン)委員長まで多くの連続性がある。1年前なら私は朝米首脳会談が大きな肯定的な変化だと言ったかもしれないが、トランプ大統領は首脳会談では何も成し遂げられず、トランプ政権は自ら崩壊している」。

 ハンギョレ「1990年に発生した、いわゆる北朝鮮核危機がまだ続いている。その解決に向けて『平和プロセス』が正しいという主張と『最大限の圧力』が解決策であるとの主張がある。あなたの見解はどうか」

 カミングス「直接交渉は、1994年に北朝鮮のプルトニウムを凍結し、2000年に北朝鮮のミサイルを中断させる合意を導きだした。私の考えでは、このような政策が失敗したのは、ジョージ・W・ブッシュ元大統領が判断を誤ったためだ。『最大限の圧力』が北朝鮮を肯定的な変化に導いたという証拠はどこにも見当たらない。最大の圧力の論理的結論は戦争だ。しかし、朝鮮戦争が残した祝福の一つは、国家的分断において軍事的解決策はあり得ないという事実を示したという点だ。就任初年度に北朝鮮との戦争を真剣に考慮していたトランプ大統領ですら、そのような結論に至った。金大中元大統領が主導した平和プロセスは1990年代には非常に有望だったが、ジョージ・W・ブッシュ元大統領がその努力を台無しにしてしまった。

 

 文大統領は、前任者の金大中・盧武鉉元大統領よりさらに一歩進んだが、米国の支援なしには前進することができない。核問題は1990年代に解決できたと思う。実際、北朝鮮のプルトニウムは8年間凍結された。ところが、ブッシュ元大統領のイラク侵攻に驚き、北朝鮮が核兵器の開発に入った。もう後戻りはできないと思う。つまり、北朝鮮は近いうちに核保有国として認められるだろう。韓国と米国にとって最善策は、限られた数の原子爆弾とミサイルに核プログラムを封印(Cap)することだ。北朝鮮は明らかに事実上の核保有国だ。米国と他の国々がそれに直ちに同意するとは思えない。しかし、この点を考慮すれば、今の状況で最善策は北朝鮮の核開発計画をすべてなくそうとして失敗するよりは、核計画を制限しようと努力することだ。『最終的かつ完全に検証された非核化』(FFVD)という米国の要求は、決して進展をもたらせなかった。だからこそ、新たな方向が必要だ」

 ハンギョレ「南北米関係は、文在寅-金正恩-トランプの3首脳体制のもと、非核化と朝鮮半島の平和に肯定的な変化をもたらせるかのように見えた。しかし、今は膠着状態に陥っている。この3者体制に、まだ非核化と朝鮮半島の平和のための希望の機会があると思うか」

 カミングス「トランプ大統領は自分が何をしているか、あまりわかっていなかったようだが、金正恩委員長に会ったのは幸いだったと思う。それは、北朝鮮を孤立させようとしてこれまで失敗を重ねてきた試みを無視し、手を差し伸べる突破口だった。しかし、もうそれも終わったかもしれない。トランプ大統領はバイデン氏に負ける可能性が高く、バイデン氏はクリントン・オバマ大統領時代の制裁と北朝鮮孤立戦略に戻るだろう」

 ハンギョレ「北朝鮮は最近、南北通信線を遮断し、連絡事務所を爆破するとともに、軍事行動まで示唆したが、それを保留した。朝鮮半島を研究してきた研究者として北朝鮮の意図は何だと考えるか。また、韓国と米国はどのように対処すべきだと思うか」

 カミングス「長すぎる時間を見守ってきたからかもしれないが、このようなことは何十年も続いてきたため、あまり驚いてはいない。北朝鮮は最近の挑発行為を通じて、主に米国にシグナルを送っていると思う。北朝鮮はトランプ政府の関心を引こうとしている。北朝鮮は、トランプ大統領が再選できるかどうか見守らなければならないため不安かもしれない。北朝鮮は今、文大統領を非難しているが、依然として文大統領をともに問題を解決できる人だと見ている」

 ハンギョレ「北朝鮮に圧力をかけるために、B52戦略爆撃機などの戦略資産を朝鮮半島周辺で展開し、過去の規模で韓米合同軍事演習を再開しなければならないという声もあがっているが」

 カミングス「もちろん、合同軍事演習の再開は北朝鮮に圧力をかけるためのもう一つの手段だ。しかし、北朝鮮は過去にもその圧力に反応しなかったのに、今更反応するだろうか」

 ハンギョレ「文在寅政府の対北朝鮮政策をどう思うか。韓国政府が南北関係を進展させようとしても、米国が『北朝鮮の非核化と南北関係の改善は共に進まなければならない』という態度を固守する限り、限界が明確な状況で、依然として韓国が南北関係の改善に取り組むべきだと思うか」

 カミングス「そうだ。文大統領が北朝鮮に関与し続けることは非常に重要だと思う。(米国の行動については)意味のある何かが起こる前に、ワシントンに新政権が誕生するのを待ってみなければならない」

「外国の介入は少ないほど良い」ことを肝に銘じて

 ハンギョレ「文在寅大統領と金正恩委員長に助言するなら、どんな言葉をかけたいか」

 カミングス「朝鮮半島は朝鮮半島に住む人々のもので、外国の介入は少ないほど良いということを忘れないでほしいと言いたい。米国は北朝鮮を孤立させ、罰を与えようとしており、韓国を米国の政策に従うようにして、75年間分断を支える力として作用してきた。米国は朝鮮半島問題に持続的に介入する唯一の強大国だ。南北が自分の問題を独立的に扱うのが最善だ。もちろん、これが近い将来起きるとは思えない。しかし、これは追求すべき目標だ」

 ハンギョレ「米国は朝鮮半島の統一を望んでいるだろうか」

 カミングス「政策問題で、米国の指導者らが朝鮮半島の統一に真剣な関心を示したのは、1950年秋に北朝鮮を侵攻する前夜が唯一だ。不幸にも、どの外国も朝鮮半島の統一に関心がない。『日本人は朝鮮のことが好きすぎて、朝鮮が二つあることを好む』という古いジョークは、おそらく朝鮮半島の統一に対して日本が何を恐れているのかを示している。ロシアと中国は、朝鮮半島の統一のために重要なことを何も犠牲にしようとしない。そのため、特に米国を含む統一を妨害する外部の人々がいる『プロクルーステースのベッド』(自己の基準に人を無理やり合わせようとする横暴・独断。ギリシャ神話に由来)の状況を突破するのは朝鮮半島の人たちの役割だ」

 ハンギョレ「朝鮮半島の統一は必要で実現可能だと考えるか」

 カミングス「金大中元大統領が1998年2月の就任演説で明らかにした太陽政策が統一に向けた最善の戦略だと思う。しかし、それには米国の支持が必要だが、その支持は1998~2000年の間にあったものの、(ブッシュ大統領の就任とともに)蒸発してしまった」

 ハンギョレ「11月の米大統領選挙の結果によって、米政府の朝鮮半島戦略はどうなるか」

 カミングス「前にも言ったように、ジョー・バイデン氏は(核の)不拡散に焦点を置いたクリントン・オバマ政府の政策に戻るだろう。これは北朝鮮だけでなく、イランや過去のイラク、リビアも含めた政策だ。大きくは変わらないと思う。米国は北朝鮮と関係を正常化しなければならず、そうしてこそ米国も北朝鮮に影響力を持つことができるだろう。しかし、そのようなことが起きるとは思えない。トランプ大統領が再選すれば、何が起こるか分からない。なぜなら、彼は米国の歴史上最も予測不可能な大統領であるからだ」

 ハンギョレ「米国と中国の関係が悪化している。米中間の対立が朝鮮半島にはどのような影響を及ぼすと考えるか。米中間の対立の中で、韓国はどのような戦略を選ぶべきか」

 カミングス「これまで米中間の対立は貿易と南シナ海問題、そして舌戦に限られており、韓国とはあまり関係がない。米国と中国の経済が大きく絡んでいるため、対立も限られるものとみられる。韓国は1992年の中国との関係正常化以降、非常に賢く米国、中国いずれとも良い関係を維持してきた。それがすぐに変わるとは思わない」

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
http://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/951017.html韓国語原文入力:2020-06-26 04:59
訳H.J

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