1987年6月抗争33周年を迎えた10日、ソウル龍山区(ヨンサング)の民主人権記念館の予定地で盛大な記念式典が開かれた。「独裁打倒」の声が全国に鳴り響いた6月抗争は民主化の堅固な土台を築いた。大統領直接選挙制度を勝ち取って平和的な政権交代の基礎を固め、12・12クーデターや5・18光州虐殺で権力を奪った新軍部に挫折した国民は“勝利の経験”を動力とし、政治や経済、社会の各分野の民主化を進展させた。今日を生きる我々は、その意味を胸に刻み、民主化を超えて社会・経済的不平等の解消など、より良い未来のための覚悟を新たにしなければならない。
同日の記念式典は、全泰壱(チョン・テイル)烈士の母の故イ・ソソン女史や、言論民主化のために闘った故ソン・ユボ・ハンギョレ編集委員長など12人が民主発展有功者として国民勲章牡丹章を受章した。金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府でも民主化運動の有功者に対する個別褒賞が行われたことはある。しかし、今回は政府が民主主義発展有功者の褒賞方針を確定した後、行政安全部の叙勲ポータルシステムを通じて国民から対象者を推薦してもらって検証し、大規模で勲章・褒章を与えたということに意味がある。これまで、親日賦役派や新軍部勢力などが自らの勲章・褒章を乱発し、叙勲の剥奪問題が絶えず提起されたことに比べると、政府が公開的かつ透明に民主化有功者に対する叙勲に乗り出したのは歓迎すべきことだ。更なる拡大を期待する。
記念式典が開かれた場所も意味深い。旧治安本部対共分室は、多くの民主化運動家が不法連行され、拷問を受けた場所だ。1985年、キム・グンテ民主化運動青年連合議長(当時)が拷問技術者のイ・グナンに殺人的な拷問を受け、1987には朴鍾哲(パク・ジョンチョル)烈士がここ509号室で水拷問の末、息を引き取った。近く民主人権記念館に生まれ変わるこの空間が、民主主義のために献身した人々の血と汗と涙を記憶し、後世と共感できる場所になることを願う。
ミン・ガムニョン警察庁長は、現職警察としては初めて記念式典に出席した。また、警察庁が「警察官人権行動綱領」を宣言した。国民が国家の主人であることを肝に銘じると共に、過酷行為を禁止し、人権侵害行為の指示・強要を拒否するなど、10項目が盛り込まれた。ミン庁長は「警察の過去を反省している」と述べた。警察は綱領を厳密に遵守し、二度と公権力の名で国民を弾圧するような過ちを犯してはならない。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は同日の記念式典で「国民が生活の中で民主主義を享受しているかどうか、振り返ってみなければならない」とし、「持続可能でより平等な経済は“制度としての民主主義”を超えて、我々が必ず成し遂げなければならない“実質的な民主主義”」だと述べた。正しい診断だ。6月抗争は現在進行形だ。これまでの33年間で、政権交代の伝統の確立や地方自治の全面化など、制度における民主化にはかなりの進展があった。しかし、貧富の格差、正規職と非正規職の差別など、経済・社会的不平等はさらに深刻化している。与野党の各政党は先を争って不平等の解消を掲げているが、その成果は未だ十分ではない。6月抗争33周年を迎え、時代的課題である“より平等な経済”を実現するために、積極的に取り組んでほしい。