2015年の韓日慰安婦合意にもとづき日本が和解・癒やし財団に拠出した10億円のうち、60億ウォン(約5億3700万円)前後の残余財産を返還するかどうかを、政府がまだ決定できていないことがわかった。
4日のソン・ギホ弁護士の説明によると、女性家族部は和解・癒やし財団の残余財産の処分計画を公開してほしいというソン弁護士の要請に対し「現在、和解・癒やし財団の残余財産の処分に対しては、承認がされていない」との非公開決定を通告してきた。ソン弁護士は先月「解散登記が完了した和解・癒やし財団が女性家族部に解散承認を申請するために提出した残余財産処分許可申請書の公開」を請求した。これに対し、女性家族部は先月22日に送った答弁書で、「和解・癒やし財団の残余財産の処分に対する承認が下されていないため、情報公開を請求した情報がないので、『情報不存在』の通知をお送りする」と明らかにした。2018年11月に政府は和解・癒やし財団の解散を公式発表したが、いまだに日本が送った10億円のうち、一部の被害女性に支給された金額や財団運営費などを除いた残余財産の処理の方向性を決めかねているのだ。ソン弁護士は「慰安婦被害者たちの意志に従ってこれを速やかに返還し、慰安婦被害と強制動員の問題は国際人権の問題だという原則を明確にして、次の経済挑発の可能性に備えるべき」と語った。
朴槿恵(パク・クネ)政権が進めた2015年韓日合意によって設立された和解・癒やし財団は、慰安婦被害者たちの激しい反発を受けた。日本は財団解散当時「とうてい受け入れられない」と反発した。聖公会大学のヤン・ギホ教授(日本学)は「元金を返還すれば、日本政府が『慰安婦合意を破棄した』と反発するだろう。第3国に供託のうえ、韓日両国が合意し、国連で戦時性暴力プログラムなどのために使うのが現実的だと考える」と述べた。