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[ルポ]マスクをつけたまま、手のひらで本人確認…旅客機の座席空けて距離保つ

登録:2020-05-28 06:24 修正:2020-05-28 08:40
今月27日午後、仁川国際空港第2旅客ターミナルの搭乗口前で、ロンドン行きの飛行機に乗る乗客たちがマスクをつけて発熱検査を受けている=仁川空港/ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

  27日午後、仁川国際空港第2旅客ターミナルのロンドン行きKE907便の搭乗ゲート前。航空機搭乗直前までマスクをしたくないと駄々をこねていた子供の母親は、航空会社職員に「必ずマスクを着用させる」と約束してから、ようやく搭乗ゲートを通ることができた。中央災害安全対策本部の交通防疫指針により、この日から全ての国内・国際線の航空機の乗客はマスクを着用しなければ搭乗できない。防疫当局のこのような指針は、最近、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の増加傾向が安定し、航空運行便や乗客が増えたことを受け、空港や機内での感染を防ぐための措置だ。先月韓国の空港を利用した国内・国際線の旅客数は135万3747人で、昨年4月と比べ86.7%も減少したが、今月に入ってからはゴールデンウィークなどの影響で、27日までに328万4080人が飛行機に乗った。昨年同期に比べて71%減少しているが、先月に比べると、「最悪の時期は過ぎた」と見られている。来月から航空会社は国際線の運航を再開したり路線を拡大する方針であり、空港利用客はさらに増える見通しだ。

 全世界に広がったウイルスは空港の風景をも変えている。済州航空は乗客自ら搭乗ゲートで搭乗券をかざして入るようにし、すべての乗客に手指消毒剤を配布する。これまでは先着順に入場していたが、13日からは優先航空券を持っている乗客が先に乗った後、20列以降の後部座席の乗客、前部座席の乗客の順に後に搭乗する。乗客間の接触を最小化するためだ。エア釜山は、発券カウンターの前の床に1メートル間隔で表示し、乗客同士の間の距離を保つよう誘導している。

金浦空港など国内14の空港で利用できる「手のひら静脈認証」方式のバイオ搭乗サービス=韓国空港公社提供//ハンギョレ新聞社

 接触を最小化する観点から、空港の非対面サービスの活用も増えている。その一つが「バイオ搭乗サービス」だ。この日午後、金浦国際空港の国内線出発場で会社員のクォン・デヨル(39)さんは、マスクをはずして空港職員に顔と身分証明書を見せる代わりに、機器に手のひらの静脈をかざすことで本人確認を済ませ、済州行きの飛行機に乗り込んだ。クォンさんは「登録しておけば、長く並ばず早く乗れると言われて登録した」とし、「複数の人と並んでいれば、やはり感染の可能性も高まるのではないかと思う」と話した。韓国空港公社が昨年導入したバイオ搭乗サービスは、昨年は国内線の全体の出発旅客のうち9%が利用したが、今年(1~4月)に入って利用者数が17.1%に急上昇した。「機内での距離措置」も目を引く。大韓航空と済州航空は予約状況に余裕のある場合、同行者のいない乗客は窓際や通路側に配置し、3人以上同行する乗客は前後列を空ける方式などで座席を距離に置いている。国外ではアメリカン航空など一部の航空会社が真ん中の座席を空けて運航している。

 「健康パスポート」の導入も加速化している。来月15日からギリシャ政府は、外国人観光客の入国審査の際、COVID-19陰性判定を立証する電子文書の「健康パスポート」を所持した乗客のみ入国を許可する方針だ。英国やイタリアなど欧州主要国も健康パスポートの導入を検討している。今月25日(現地時間)、英国の経済紙「フィナンシャルタイムズ」は「これから健康証明書は(旅行で)ビザ同様重要になるだろう」と見通した。

パク・スジ、ペク・ソア記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/946778.html韓国語原文入力:2020-05-28 02:02
訳H.J

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