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「繰り返し飛沫にさらされた」…コールセンター従業員に初めて「新型コロナ労災」認定

登録:2020-04-11 06:21 修正:2020-04-11 07:13
先月11日午後、京畿道水原市の京畿道庁120京畿道コールセンターで、従業員らが新型コロナウイルス感染症を予防するため、席を空けて勤務している//ハンギョレ新聞社

 首都圏最大規模の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)集団感染が発生したソウル九老区(クログ)のコールセンターの従業員が労働災害を認められた。国内のCOVID-19感染者のうち、初の労災承認事例だ。

 勤労福祉公団は10日、ソウル九老区のコールセンターで勤務中にCOVID-19に感染した労働者Aさんが提出した労災申請をソウル業務上疾病判定委員会の審議を経て、業務上疾病(労働災害)と認めたと発表した。同委員会は、コールセンターで相談業務を行ったAさんが密集する空間で働く業務の特性上、飛沫などの感染リスクに繰り返しさらされている点を考慮し、業務と申請上の疾病(COVID-19)とはかなりの因果関係があると判断した。Aさんは労災が認められ、COVID-19の治療で働けなかった間、従来の平均賃金の70%に当たる休業給付をもらえるようになる。

 今回の労災認定は申請日(3月20日)からわずか3週間で決まったという点で異例といえる。一般的に感染性疾病は疫学調査を経て感染経路を確認しなければならないため、労災承認まで長い期間を要する。しかし、COVID-19は地方自治体などの情報を活用して発病経路を確認することができ、別途の疫学調査なしに迅速に決定できたというのが公団側の説明だ。

 公団は2009年の新型インフルエンザ流行をきっかけに「感染症労災認定指針」をまとめた。Aさんはこの基準に基づき、「業務遂行過程で感染した同僚労働者との接触があった者」という点が認められた。しかし、A氏のようにCOVID-19の感染が確認された労働者(保健医療・集団収容施設従事者は除く)であっても、業務と疾病の発生間の因果関係が明確でない場合は、労災が認められるのは難しい。例えば、COVID-19による労災を認められるためには、「家族や親族等の業務外の日常生活から感染していないこと」という要件を満たさなければならない。もし、業務遂行中にウイルスにさらされたが、すでに家族の感染が確認された場合は、業務との関連性を明確に立証するのは困難である。勤労福祉公団業務上疾病部のコ・ミョンジュ次長は「感染力が強いCOVID-19の特性を考慮し、(業務上疾病の認定の際、)厳しい基準を適用した新型インフルエンザの時ほど詳細な基準は設けなかった」とし、「(業務中に感染者と)同じ空間にいたという点だけでも十分に業務上の疾病が認められるようにした」と述べた。

 「仕事と人」法律事務所のクォン・ドンヒ労務士は「Aさんの労災承認が短期間で処理された点は幸いだが、通勤時に公共交通機関で感染者と接触して感染した場合も労災として認められなければならないという労働界の主張に対しては、公団側がまだ立場を表明していない」とし、「現場では依然として病院の診断書を添付するだけでは労災申請が難しく、COVID-19で医療機関への訪問そのものが困難な状況なので、書式の簡素化を進めると共に、例外認定をさらに拡大する必要がある」と指摘した。

ソン・ダムン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/936506.html韓国語原文入力:2020-04-10 21:23
訳H.J

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