全世界の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡散事態が4カ月目に入った今月1日、世界の累積感染者が85万8千人、死亡者は4万2千人(米ジョンズ・ホプキンス大学集計)を超えた。ウイルスは宿主(人)を区別しない。しかし、死亡者の性別比率を見ると男性の方が女性よりはるかに多い。
ウイルスの攻撃に脆弱な高齢者や基礎疾患を持つ患者の致命率が高いことに加え、“男性”という事実自体が注目に値する死亡要因であることが明らかになっていると「フランス24」放送が31日、疫学専門家の話を引用して報道した。
英国のユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の「ジェンダーとグローバル健康センター」の所長であるセーラ・ホークス教授は、「私たちに死亡者性別データを提供したすべての国で、新型コロナウイルス感染者の男性致命率が、少なくとも10%、多い場合は2倍以上も女性より高い」と明らかにした。このセンターは、COVID-19とジェンダーの関係を研究・分析するグローバル・ヘルス50/50プロジェクトを遂行している。
このセンターが最近公開した「セックス、ジェンダー、新型コロナ(COVID-19)」報告書によれば、死亡者の「男性多数」現象は韓国をはじめフランス、ドイツ、イタリア、スペインなどデータを送ってきた11カ国のすべてで共通して確認された。イタリアとデンマークでは、COVID-19による死亡者の71%が男性で、女性死亡者(29%)より2.4倍も多い。中国・ドイツ・スペイン・オランダでも、男性死亡者の比率が64~66%で、女性死亡者の2倍に達する。死亡者の性別差が最も少ない韓国とフランスでも、男性死亡者の比率がそれぞれ54%、58%で女性より高い。こうした傾向は、コロナウイルスの別の変種だったSARS(2002年)とMERS(2015年)拡散時も同様だった。
コロナウイルスの致命率がなぜ性別により異なるかについて、確実な結論はまだ出ていないが、専門家たちはいくつかのの可能性に注目している。
第一に、生活方式の差異だ。男性には病気の初期には病院にあまり行かない傾向がある。また、男性は女性より手をあまり洗わないとか、たとえ洗っても石鹸を使う比率が顕著に低い。先月、米疾病管理予防センター(CDC)は、2009年の調査結果を引用して、公衆トイレを利用した後に手を洗う女性が65%であるのに対し、男性は31%に過ぎなかったと明らかにした。肺と心臓血管系に害となる喫煙と飲酒も女性より男性に多い。
第二に、生物学的要因だ。女性ホルモンであるエストロゲンが強力な抗ウイルス機能を果たすという事実は、実験結果で立証されている。
第三に、遺伝的要因だ。人体の免疫システム反応情報が入力されたX染色体は女性には2個(XX)、男性は1個だけ(XY)だ。米ジョンズ・ホプキンス大学の免疫および感染病の専門家であるサブラ・クライン教授は「一般的に女性がウイルスだけでなく他の病気に対しても男性より免疫反応に優れており、免疫システムにも生物学的差がある」と話した。