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社会的経済、政策重視選挙の呼び水に

登録:2020-03-28 02:49 修正:2020-03-28 07:23

 27日、韓国社会的経済連帯会議(以下「連帯会議」)は共に民主党、正義党、緑色党に社会的経済活性化政策公約を伝え、国会本庁と緑色党の党本部でそれぞれ政策協定締結式を行った。今回の行事は4・15総選挙を迎え、社会的経済活性化の先頭に立つという各党の意志を確認するために用意された。政策が後景化していると評価される今回の総選挙において、市民社会は社会的経済を中心として着実に議題化に取り組んでいるという点で注目に値する。連帯会議のアン・インスク政策委員長は「第21代総選挙に提案する社会的経済活性化政策は、社会的経済分野にとどまらず、社会全般の公正性を拡大し包容経済に向かっていくための政策と議題に重点を置いている」と述べた。

 正義党-連帯会議の協定締結式に臨んだ正義党総選挙公約開発団のチョン・テイン団長は「社会的経済は、社会危機のたびに下からの連帯と協力で困難を克服してきた。協定締結式を機に、正義党も社会的経済とともにこれからの危機を乗り越えていけるよう連帯していく」と強調した。協定書は、社会的経済基本法の制定などの制度改善▽社会的経済の環境の構築を通じた地方のバランス発展▽若者・フリーランス・小商工業者などのための働き口のバランス発展▽社会的経済を通じた公共の革新▽社会的経済の各部門および業種の活性化のための制度的な基盤造成の、社会的経済活性化のための5つの政策課題が盛り込まれた。

27日、国会で「正義党-韓国社会的経済連帯会議政策協定締結式」が開かれた。正義党のチョン・テイン総選挙公約開発団長と連帯会議のユ・ヨンウ常任理事が「社会的経済活性化のための政策協定」に同意し、マニフェスト実践に参加するという協定書に署名している//ハンギョレ新聞社

 緑色党は、社会的経済活性化政策を今回の総選挙の第一公約であるグリーン・ニューディール政策と一つにまとめることにした。グリーン・ニューディールは、気候危機を克服するとともに経済・産業体制の大転換を目指す改革政策だ。緑色党のイ・ユジン選挙対策本部長は「化石燃料を基盤とする大量生産・大量消費経済システムから脱しなければならない。社会的経済は既存の経済原則を完全に変えるための代案となりうる」と主張した。緑色党は協定書に署名し、社会的経済基本法の制定▽自治体における社会的経済の制度化▽社会的経済の主体として若者・フリーランス・小商工業者・農業者を支援、を約束した。

27日、緑色党の党本部で「緑色党-韓国社会的経済連帯会議政策協定締結式」が開かれた。左端が同党のイ・ユジン選挙対策本部長、中央が同党のソン・ミソン臨時共同運営委員長、右から3人目が連帯会議のアン・インスク執行委員長//ハンギョレ新聞社

 同日、連帯会議は、共に民主党に対しても社会的経済活性化政策案を伝える場を持った。政策案には今月6日に社会的経済組織とのワークショップを通じて集めた「社会的経済活性化のための10大共通公約」が盛り込まれた。この日の伝達式で同党のイ・サンユル企画財政首席専門委員は「我が党は社会的経済基本法など社会的経済関連3法に大きな関心を持っている。第21代国会では、より積極的に推進するようにしたい」と述べた。同党のイ・ヒョンジン専門委員は「基本法制定のため野党の協力を得ようと努力している」とし、現場からの支持を訴えた。韓国社会的企業中央協議会の政策局長は「文在寅(ムン・ジェイン)政権による社会的経済の活性化に向けた積極的な努力に比べると、与党の力の注ぎ方は大いに不足していると感じる」と遺憾の意を示し、「与党はもっと力を合わせて公約を実行してほしい」と強調した。

27日、国会議員会館で「共に民主党-韓国社会的経済連帯会議公約伝達式」が開かれた。共に民主党政策委員会所属の委員と連帯会議の代表者が、社会的経済活性化公約について議論している//ハンギョレ新聞社

 連帯会議のユ・ヨンウ常任代表は、連帯会議が25日に発表した「雇用連帯宣言」運動を紹介しつつ「社会的経済は、危機に際して社会の死角地帯を補完する役割を果たす。(社会的経済が)より積極的な役割を果たせるよう政策支援が必要だ」と主張した。連帯会議のカン・ミンス政策企画委員長も「社会的経済の叫びが空虚な響きにならないようにするためには、制度作りが必須」とし、各党へ積極的な取り組みを求めた。

文・写真 ソ・ヘビン・ハンギョレ経済社会研究院研究員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/934580.html韓国語原文入力:2020-03-27 21:22
訳D.K

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