本文に移動

「無給の休み、さらに長くなる?」…非正規学校職員の生計、先見えず

登録:2020-03-17 01:35 修正:2020-03-17 07:27
資料写真//ハンギョレ新聞社

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で全国の幼稚園や小中高の始業が再び延期される可能性が高まり、給食室の調理師など、学校が休みの間の生計が見通せない非正規労働者の心配も深まっている。再度の始業延期は授業日数の削減を前提に行われるため、彼らとしては所得が減る結果につながりうるからだ。

 COVID-19で始業が延期されたここ3週間、全国17の市・道教育庁は「長期休みの期間が繰り上げられた」という論理を掲げ、教育公務職のうち「長期休み中の非勤務者」は学校に出勤しないよう措置を取ってきた。ソウル市教育庁の場合は、給食室の調理師、教務実務士、司書などがこれに当たる。長期休み中の非勤務者は、全教育公務職およそ16万人のうち8万人あまりで、彼らは法定授業日のみ労働を提供し、給与を受け取る。このため一部の教育庁は、彼らが今後受け取るべき給与の一部を3月に「前払い」する代案を出している。

 問題は、始業が4月に再度延期されれば、当座しのぎのようなこの代案さえ不可能になるということだ。これまでの始業延期は長期休みの日数を調整するという考え方で実施してきたため、教育当局としては「長期休み中の非勤務者の総年間収入は保障される」とし、先払いなどの代案を提示することができた。しかし、15日以上の学校休業は法定授業日数の削減を前提とするもので、事情が変わってくる。

 この3週間、教育庁と労働者は始業延期をどのように規定するかで立場の違いを見せてきた。始業延期を長期休みの延長と見る教育庁と違い、労働者は「始業延期措置は長期休みの延長ではなく休業」とし、休業期間にも給与を支給するべきと主張してきた。また「政府がCOVID-19対策で11兆7000億ウォン(約1兆100億円)の補正予算を編成し、このうち2897億ウォン(約251億円)が地方教育財政に充てられたが、非正規職対策には一銭も使っていない」と批判した。彼らの生計問題が社会的問題として浮上すると、一部の教育庁が「始業延期は長期休み期間」という立場を維持しつつも、始業後に支給する給与を前払いする代案を出したのだ。さらに慶尚南道、仁川(インチョン)、大田(テジョン)など一部の教育庁は、長期休み中の非勤務者の中で、希望者は今週から出勤するように案内してもいる。

 仁川のある中学校で給食室の調理師として働くキムさん(52)はハンギョレに対し「これまでの貯金を切り崩して長い冬休みを何とか持ちこたえてきたが、待ちに待った3月の給与がもらえず途方に暮れた」と語った。ひとまず今週から出勤し始めたが、始業が再度延期されれば、年間所得そのものが減る危険性が生じる。キムさんは「新学期が4月にずれ込むという話があり不安だ。出勤を続けられるのか、もしできなくなったらどうやって生計を維持していくべきか、感染リスクよりもその方が心配だ」と述べた。

 このため、もし教育当局が再度の始業延期を決定した場合、これに対する対策が同時に提示されるべきという声が大きい。休業期間にも長期休み中の非勤務者がきちんと給与を受け取れるよう、明確な基準を設けるべきだというのだ。公共運輸労組全国教育公務職本部のパク・ソンシク政策局長は、「災害による休業期間なら、長期休み中の非勤務者のみ教師などの他の職群と扱いを異にし、出勤できないようにして給与を支払わないこと自体が差別だ。法制度などの問題があれば、休業手当くらいは設け、彼らに対する生計対策を講じるべきだ」と述べた。

始業延期期間中の出勤が禁止された全国学校非正規職労働組合の「長期休み中の非勤務者」組合員らは、3月9日と10日にそれぞれ学校で「出勤闘争」を行い、「証拠写真」を撮るなど、教育当局に生計対策作りを要求した=全国学校非正規職労組提供//ハンギョレ新聞社
始業延期期間中の出勤が禁止された全国学校非正規職労働組合の「長期休み中の非勤務者」組合員らは、3月9日と10日にそれぞれ学校で「出勤闘争」を行い、「証拠写真」を撮るなど、教育当局に生計対策作りを要求した=全国学校非正規職労組提供//ハンギョレ新聞社
チェ・ウォンヒョン、キム・ミンジェ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/932847.html韓国語原文入力:2020-03-16 20:50
訳D.K

関連記事