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障害者・老人施設の感染者、全体の12%…集団隔離に対し対策が必要

登録:2020-02-27 06:30 修正:2020-02-28 07:36
新型感染病中央臨床委員会は今月26日、国立中央医療院で記者会見を開き、慶尚北道の清道デナム病院精神病棟の集団感染の背景を説明した。写真は臨床委が公開した今月24日の清道デナム病院精神病棟を内部の様子=新型感染病中央臨床委員会提供//ハンギョレ新聞社

 隔離施設で生活している健康弱者層の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への集団感染の懸念が高まっている。100人以上の感染者が発生した慶尚北道の「清道デナム病院」と漆谷(チルゴク)の「麦粒愛の家」に続き、醴泉(イェチョン)の「極楽村」と清道(チョンド)の「ダラム老人療養共同生活家庭」など、他の施設でも新型コロナウイルスの感染事例が相次いでいる。

 26日、中央防疫対策本部(防対本)の新型コロナウイルス感染者発生現況資料によると、同日午前9時基準で、141人の感染者が精神病棟や障害者・高齢者集団居住施設で生活していた患者とスタッフたちだ。全体感染者の12%程度を占める比重だ。

 同日、清道デナム病院では今月20日から隔離措置中だった施設管理担当職員1人の感染が追加で確認され、同病院だけで感染者が114人に増えた。釜山(プサン)「アジアド療養病院」でも64歳の療養保護士1人の感染が新たに確認された。現在同病院は病棟を丸ごと隔離させる「コホート隔離」が行われており、入院患者のうち重症度が高い患者24人は釜山医療院に移送される予定だ。また、醴泉の極楽村(重症障害者療養施設)で感染者が2人に増え、清道のダラム老人療養共同生活家庭でも新たに感染者が発生した。防対本は「一部の集団施設を中心に感染者が発生しており、福祉・生活施設などを中心にモニタリングを強化している」と発表した。

 釜山市はアジアド療養病院で2次感染が発生した点を懸念している。同病院の患者のうち多数が70~80代の重症患者であるためだ。同日、追加で感染が確認された療養保護士は、新天地の大邱(テグ)教会を訪れた同病院の社会福祉士から感染したものと推定される。アン・ビョンソン釜山市健康政策課長は、「幸い集中治療室の患者や職員たちは陰性判定が出たが、アジアド療養病院に重症患者が多く、非常に重く受け止めている。もし陽性判定の患者が出ても、アジアド療養病院はコホート隔離を維持し、感染患者だけ陰圧病室がある他の病院の一人部屋に移す」と述べた。

 清道デナム病院の場合、感染者106人のうち死者7人を除いた26人を他の医療機関に搬送したと、防対本が同日明らかにした。専門家らは、隔離施設で確認された感染者たちが適切な治療を受けているかどうか、詳しく調べなければならないと指摘する。大韓神経精神医学会は同日、立場文を発表し、「清道デナム病院精神病棟が果たして新型コロナウイルス感染症の患者に最善の治療を提供するのに適した空間なのかについて、深刻な憂慮を持っている」とし、精神科や内科治療が同時に可能な臨床空間を確保し、患者らを移すべきだと主張した。

 これに関し、国立中央医療院のイ・ソヒ精神健康医学科長は同日、新型感染病中央臨床委員会の記者会見で「出入りが統制される精神病棟の特性上、感染源の流入は容易ではないが、いったん入れば(集団感染の可能性が)高くなる」とし、「精神病棟で長期間生活すると投薬管理や個人衛生、飲食物の摂取などで誰かの助けを必要とするため、免疫力が落ちる」と指摘した。翰林大学聖心病院のホン・ナレ教授(精神健康医学)は、「精神病棟は内科的な治療を目的とした空間ではないため、内科的治療が必要な患者が引き続き留まっていること自体が問題になる。清道デナム病院に関する情報をもっと公開し、移送を急がなければならない」と述べた。

 障害者人権団体は同日、記者会見を開き「保健当局は集団隔離、集団治療の形から一日も早く脱し、他の患者に対する措置と同等で安全な治療対策を迅速に講じなければならない」として、国家人権委員会に緊急救済を求めた。

チェ・ウォンヒョン記者、釜山/キム・グァンス記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/rights/929999.html韓国語原文入力:2020-02-27 02:42
訳H.J

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