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74メートルの高所から226日ぶりに下りてきた

登録:2020-02-13 01:44 修正:2020-02-13 07:22
昨年7月1日から大邱の嶺南大学医療院の地上74メートルの本館屋上で「高所座り込み」を行ってきた民主労総・保健医療労組のパク・ムンジン執行委員が12日午後、地上に下りて仲間から歓迎を受けている//ハンギョレ新聞社

 大邱(テグ)の嶺南大学医療院の解雇者の復職や労組活動の保障などを要求して、昨年7月1日から高所座り込みを行ってきた民主労総・保健医療労組のパク・ムンジン執行委員(59)が、座り込み227日目の12日、地上に下り立った。これで「労組破壊工作」批判を浴びてきた嶺南大学医療院事態が14年の時を経て一段落した。

 パク指導委員は、前日に大邱地方雇用労働庁で開かれた私的調停会議において労使が解雇者復職などに合意したことによって、この日午後3時に嶺南大学医療院の本館屋上から下りた。私的調停委員は11日、解雇されたパク・ムンジン、ソン・ヨンスク氏の復職問題の解決▽労組活動の自由の保障と労使関係の発展に向けた相互努力▽民事、刑事上の問責禁止と法的紛争の取り下げなどを含めた調停書を提示し、労使双方がこれを受諾した。私的調停は、労働委員会などの公的機関ではない第3者が労使の意見を聞いて妥協点を探る労働争議の調停制度で、昨年8月の大邱地方雇用労働庁の提案により調停手続きが行われてきた。長い生みの苦しみの末、先月31日の実務交渉で暫定合意案が導き出されたが、病院内部の反対で合意が座礁。しかし、11日夜に正常化で合意に達した。

 嶺南大学医療院所属の看護師だったパク指導委員らは2006年、週休2日制の導入に伴う人員増員と非正規職員の正職員化を要求し、3日間の部分ストを展開した。翌年、病院側は、労組幹部らに対し56億ウォン(約5億2300円)の損害賠償を請求するとともに、10人を解雇した。当時、病院側は「労組破壊」コンサルティングで有名な労務法人「創造コンサルティング」を動員し、組合員の脱退工作などを行ったが、この事実が2012年の国会聴聞会などで明るみになり物議を醸した。

 定年まで1年を残すパク指導委員は業務に復帰せず、13日に名誉退職することにした。パク指導委員とともに高所座り込みを行っていたものの、昨年10月に健康上の理由で下りていた看護師のソン・ヨンスクさん(43)は復職する。パク指導委員はハンギョレの電話インタビューで「高所座り込みを無事に終えて嬉しい。支援してくれた全国の多くの同志に感謝の意を伝えたい」と感想を述べた。

ソン・ダムン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/928028.html韓国語原文入力:2020-02-12 20:11
訳D.K

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