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チャーター機に搭乗できない武漢在住韓国人把握できず…国民の不安を考慮し集団隔離

登録:2020-01-30 06:33 修正:2020-01-30 07:54

天河空港の出国過程で検疫を実施 
発熱・呼吸器症状ある場合は搭乗できず 
機内で疑われる症状現れた場合は指定病院へ 
日本と異なり、症状のない人も一括隔離 
隔離場所は、当初言われていた天安の代わりに 
牙山・鎮川が確定したことを受け、地域住民らがトラクターで抗議活動 
政府「武漢に滞在した国民の保護・防疫統制を考慮」

今月29日午後、忠清南道牙山の警察人材開発院正門前で、農機具で道路を防ぐ住民たちが警察と対峙している。同日、韓国政府は牙山と忠清北道鎮川の公務員教育施設に武漢に滞在した韓国人を隔離収容すると発表した//ハンギョレ新聞社

 30~31日、チャーター機に乗って帰国する中国の湖北省武漢に滞在した韓国人たちは、発熱や呼吸器症状がない場合、忠清南道牙山(アサン)と忠清北道鎮川(ジンチョン)にある臨時施設で14日間隔離される。武漢に滞在した自国民を帰国させている日本の場合、帰国者を特定の施設に収容する集団隔離方針は立てなかった。

 29日、新型コロナウイルス感染症中央事故収拾本部によると、中国武漢天河国際空港で帰国希望者720人に対する検疫を行い、発熱や呼吸器症状などが現れない場合に限り、チャーター機に搭乗させる。搭乗当時は症状がなかったが、機内で新型コロナウイルスによる症状が現れた場合は、金浦(キンポ)空港から帰国直後に国家指定入院治療病床に移送される。金浦空港での入国検疫過程で症状がないことが再度確認された場合のみ、臨時生活施設で一人1室を使用することになる。ただし、子供がいる場合は家族が共に過ごせるようにする方針だ。

 臨時生活施設での隔離期間中に症状が現れれば、国指定の入院治療病床などに搬送され、感染検査を受けることになる。今回のウイルスの最長潜伏機関の14日が経っても症状がない場合、保健教育を受けた後、居住地などに戻ることができる。中央事故収拾本部は同日、「武漢から入国した720人だけでなく、施設別運営スタッフ40人などが生活できる規模の施設が必要であり、周辺の半径1時間以内に総合病院が位置している地域、空港から2時間以内に到着可能な施設などを考慮した」とし、隔離施設の決定の背景を説明した。

 同日基準で720人が帰国を希望しているが、武漢を出国する過程で検疫を実施し、発熱あるいは呼吸器症状などがある場合は飛行機に乗れない。パク・ヌンフ保健福祉部長官は最終発表直前の同日午前、「有症者も移送する」と述べ、混乱を招いた。中央事故収拾本部は「中国当局との協議過程で現地の検疫に関する法律と手続きを遵守しなければならないため、症状がない人のみをまず移送することにした」とし、「現地に残る国民に対しては、外交公館と協議して最大限保護を受けられるよう、対策を講じる」と述べた。

 症状が全くない帰国者を一括隔離することについて、イ・ジェガプ翰林大学医学部教授(感染内科)は「行き過ぎた側面がある」としながらも、「国民の不安を考慮し、(政府が)折衷点を見出したと思う」と述べた。匿名を求めた政府関係者は「国内事例の定義によると、症状がない場合は確定者と接触した人に限り、潜伏期間中自宅隔離措置が取られる。しかし、武漢から来た人々に対し自宅隔離措置をすれば、全国の多くの地域の住民は黙っているだろうか」と述べた。

 外交部は当初、28日の発表文で、隔離地域として忠清南道天安(チョナン)を取り上げたが、最終ブリーフィングでは「まだ決定していない」とし、場所を明示しなかった。該当地域住民の反発のためとされたが、その後牙山と鎮川に隔離施設が変わり、牙山・鎮川地域住民の反発が強まった。同日、牙山草沙洞(チョサドン)警察人材開発院近くの住民約100人は関連ニュースが流れたことを受けて、強力な対応を予告しており、鎮川住民たちも徳山邑(トクサンウプ)の国家公務員人材開発院の前の道にトラクターや貨物車などで臨時の遮断幕を作り、武漢に滞在した韓国人などの出入りを事前に遮断した。忠清北道は報道資料を発表し、「人材院は革新都市の真ん中にあり、伝染病が住民に広がる可能性が非常に高い」と懸念を示した。

 一方、徹底した安全管理を前提に、武漢に滞在した人たちを受け入れるべきだという世論もある。革新都市に住む住婦のIさんは「すべての地域と住民たちに拒否されたら、あの人たち(武漢から帰国した人たち)はどこに行けばいいのだろうか。市民と徹底的に隔離して安全に治療できるなら、受け入れるべきだ」と話した。チェ・ウォンソク高麗大医学部教授(感染内科)も「恐れる気持ちは分かるが、(臨時生活施設を超えて)地域社会へウイルスが広がることを懸念するのは医学的には妥当ではない」と指摘した。

パク・ヒョンジョン、ソン・インゴル、キム・ソヨン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/926139.html韓国語原文入力:2020-01-30 02:41
訳H.J

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